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不妊症

   西洋医学での不妊症の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。

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不妊治療に自分自身がもつ偉大な力、自然治癒力を生かそう。
それは妊娠力をつける根源的な力です。

不妊症でこのような方々がご相談に来られます。「西洋の不妊治療をしているけどなかなか妊娠できない。」「西洋の検査で不妊の原因が分からず、どうしてよいか分からない。」「不妊治療で心身が疲れ、辛いので漢方を試してみたい。」「病院に行かず自分の妊娠力を高め、赤ちゃんを生みたい。」

そしてこのような方々の多くは自分の体に自信をなくしておられます。良い卵子ができない。子宮内膜が薄い。ホルモン数値が悪い。もう年だから難しい。年齢的に体外受精しか方法がないなどと 子宮や卵巣の局所的なことや年齢のことばかりを言われ、すっかり元気をなくしておられるのです。

でも本当にそうなのでしょうか? 私たち人間には自然治癒力があります。自ら健康になろうとする根源的なチカラ。それは無限で偉大な力を発揮します。なかなか子宝に恵まれない時、この自然治癒力に視点を変えてみつめてほしいのです。自分の体のもつ「妊娠力」にです。

木々の花や枝葉に異常がみられるのは「根」に原因があるからなのです。妊娠できない体の根本原因をみつけ、それを改善することで、潜在する偉大な妊娠力を発揮することができるのです。そこに働きかけるのが漢方薬です。

不妊はなぜ増えているの?

夫婦生活を普通に送って2年以上たっても妊娠しない場合を不妊症といいます。現在は不妊に悩む夫婦が多く10組に1組は子宝に恵まれないということです。

不妊の原因は男女それぞれにあり、女性に4割、男性に4割、両方にあるのが1割、残り1割が原因不明といわれています。

卵子とお肌の曲がり角は25歳、と言われていますが、女性は30歳を過ぎたころから妊娠率は下がりはじめ、 35歳を過ぎたあたりから卵巣の老化のスピードは速くなります。

現在、女性の社会進出に伴い妊娠しやすい時期と仕事でのキャリアを積む時期とが重なることで晩婚化がすすみ、4人に1人が35才以上の高齢出産となっています。加齢による卵巣(卵子)の老化に加え、仕事のストレスや食生活の影響などにより、不妊症は増加の一途をたどっています。

西洋医学と漢方の不妊治療の違い

西洋医学と漢方医学には、それぞれに得意分野があります。

西洋医学では妊娠から出産までの過程を部分、部分に分けて、 人工的に治療する方法が主に研究され進歩してきました。

排卵が起こっていなければ排卵誘発剤を処方し、
ホルモンの分泌量が少ないのであれば薬や注射でホルモンを補充する。
卵管が塞がっている場合にはその通りをよくする処置をし、
卵子、精子がうまく受精しなければ体外受精を選択するなど
局所的な対症療法が中心に行われています。

一方、漢方医学では妊娠、出産を生命のいとなみの流れのなかにとらえます。ですので、不妊症の原因をただ子宮や卵巣の臓器だけにみるのではなく、
心身の生命全体をみつめたうえで、そのつながりとして子宮、卵巣の働きがどうか、をみていきます。

胃腸が弱く、そのため充分な栄養が子宮や卵巣にゆきわたっていないと分かれば、
まず弱点の胃腸をたて直すことから始めます。
また、ストレスがホルモンバランスをくずし、子宮、卵巣に悪影響を与えているのであれば、
体の生命エネルギーの流れをよくし、自律神経を整えることでホルモン分泌を正します。

漢方は私たち体が本来持っている自然治癒力、
つまりは妊娠力を高めることで、母体全体を診て不妊の体質改善を行います。

加美漢方の不妊症改善の特徴
加美漢方の不妊症の体質改善は
「冷え」・「瘀血(おけつ)」・「腎」、この3つが重要で欠かせないものと考えます。
「冷え」

良い卵子とふかふかの子宮内膜、この2つが妊娠、出産にはとても大切です。 良い卵子は精子と結合しやすく、ふかふかの子宮内膜は受精卵を着床しやすくし育てるからです。 これらは冷えて硬くなったお腹、つまりは冷たい子宮、卵巣からはできにくく、 温かく柔らかいお腹の子宮、卵巣からつくられるのです。

冷えた女性のお腹からは赤ちゃんが生まれにくいと言われているとおり、
不妊には冷えを治すことはとても重要です。

漢方では卵巣機能不全や黄体機能不全も
冷えによる子宮、卵巣の働きの低下が大きな要因と考えます。

「瘀血」

瘀血は血流障害でうっ血して、働きの悪くなった血液のことで、 昔の人は古血(ふるち)とも言っていました。 新鮮で栄養たっぷりな血液がめぐっていれば子宮、卵巣は元気で、 良い卵子やふかふかの子宮内膜をつくることができますが、 お血があれば子宮、卵巣は機能低下を起こします。

現代はストレス、食の不摂生、生活の不規則などでお血がたまりやすい環境となっています。

生理不順、子宮筋腫、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群などお血が原因でいろいろな婦人病をひき起こし、それが不妊の原因となっています。

「腎」

漢方では、成長、発育、生殖、老化をつかさどる生命エネルギーの元(もと)を 「精」と言います。腎はこの精を蓄えるところなのです。 腎に精が十分蓄えられていれば生殖能力もさかんで、 視床下部、脳下垂体からの女性ホルモンの分泌や 子宮、卵巣の働きが正常で、生理、妊娠、出産が順調に行われます。

しかしこの精は無尽蔵ではなく消耗し、腎に精の不足した状態を「腎虚」と言います。
加齢をはじめストレスや生活の不摂生などで腎虚の状態になると
生殖能力が衰え、妊娠、出産がスムーズにいかなくなります。

漢方で腎虚を補って不妊を改善していくのです。

不妊症での漢方の得意分野

1. ホルモンバランスを正常に整える
ホルモンバランスを整えることで生理の状態を正常に戻し、理想の基礎体温表に近づけます。
2. 卵子の質を高める
加齢やストレス、生活の不摂生などで、卵巣の働きが低下すると、つくられる卵子の質が低下します。冷え、お血、腎を整えることで卵子の質を高めます。
3. 子宮内膜を厚くふかふかにする
受精卵が着床して、成育しやすいように、子宮に血液や栄養を 行きわたらせ、子宮内膜を厚くふかふかにします。
4. 不妊の原因の分からない不妊症に効果
病院で子宮や卵巣、卵管の検査をしても、男女ともに 原因の分からない不妊を「機能性不妊」といいます。 漢方はこの機能性不妊を得意とします。大きな効果を上げています。
5. 排卵誘発剤の作用を高める効果
排卵誘発剤(クロミフェンなど)を長期に使用すると 頸管粘液の減少や子宮内膜が薄くなるという副作用が強くあらわれます。そこで、いったん漢方薬で体調を整えてから、再び排卵誘発剤を 併用すると副作用を受けずに妊娠に至ることが多いのです。
6. 不妊の原因となる病気にも効果を発揮することが多い
卵巣機能不全、黄体機能不全、子宮内膜症、子宮筋腫、高プロラクチン血症、 多嚢胞性卵巣症候群などの婦人病を改善することで妊娠に至るケースは多いのです。
7. 人工授精や体外受精の成功率を高める
局所を診る西洋医学と全体を診る漢方医学の組み合わせが 効果を発揮することが多いのです。母体の状態がよくない時に人工授精や体外受精をいくら試みても なかなか効果があがりません。 西洋医学をいったん休み、漢方で卵子の質を高め、 子宮内膜をふかふかにしてから再挑戦されることは効果的です。
8. 男性不妊に効果
原因は精子です。無精子症をはじめ、精子の数が少ない 乏精子症、運動率が低い精子無力症が代表的です。加齢、ストレス、肥満、生活の不摂生などが原因ですが、漢方はこういった症状に効果があり、精子の数や運動率を高めます。

生理周期(健康では25~32日)は 月経期・卵胞期・排卵期・黄体期 の4期に分けられます。

<月経期:3~7日> 月に一度の寝室(子宮)の大掃除
脳の視床下部は脳下垂体に卵胞刺激ホルモン(FSH)を分泌させる

卵巣内では、胎児の時から蓄えられている10個前後の原始卵胞が発育

月経終了時には左右どちらかの卵巣内で1個の卵胞が成長

卵胞は卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌
<卵胞期:7~10日> 寝室ではベッド(子宮内膜)のリニューアル
月経で剥がれ落ちた子宮内膜の増殖・肥厚を促し、妊娠のための準備を始める
卵巣ルームでは卵子ちゃんが成長中
卵胞ホルモンの分泌が高まり、卵巣内の卵胞が成熟

脳の視床下部は脳下垂体に黄体形成ホルモン(LH)を分泌させる

<排卵期:1~3日> 卵子ちゃんの社交界デビュー
完全に成熟した卵胞(20~22㎜)は36時間以内に卵子を排卵
<黄体期:10~12日> 寝室ではふかふかのベッドでお出迎え
卵胞は黄体に変わる

黄体は黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌


子宮内膜腺は、栄養素(グリコーゲン)に富んだ分泌物を分泌 子宮内膜を厚く(10~14㎜)やわらかくし、受精卵が着床・発育しやすい環境をつくる

体のサイン チェック1
排卵前の頸管粘液(おりもの)は、無色透明で10㎝以上伸びるようになり、量も多くなります。
これは精子を子宮に迎え入れやすくするためなのです。
体のサイン チェック2
黄体ホルモンには水分を溜めこむ作用があるため、むくみの原因となります。 また、体温をあげる作用もあるため、36.7℃以上の高温期となります。 これらは子宮内膜をやわらかくし、受精卵の着床・発育に備えるためなのです。

基礎体温表で子宮と卵巣機能の良し悪しが分かります

基礎体温の計り方
朝、目が覚めて起き上がる前に床の中で計ります。(5時間以上の睡眠が望ましい)基礎体温計は舌下に入れます。

理想的な基礎体温表のチェックポイント

1. 低温相と高温相(36.7℃以上)の2相を示している
排卵後は黄体ホルモンの働きで体温が通常36.7℃以上となります。排卵がきっちり行われていないと、2相にならずに低温相のみになります。
2. 低温相は12~18日間である
21日以上は卵胞発育が遅延しています。
3. 低温相と高温相の差は0.3℃以上である
4. 低温相から高温相への移行が3日以内である
5. 高温相は10日以上持続している
排卵後、卵胞は黄体へと変わり、黄体ホルモンを分泌します。
黄体機能が悪いと、黄体ホルモンの分泌が不十分となり、
高温相は短く10日以内となってしまいます。
6. 高温相に陥落がなく安定しいている
<健康的な基礎体温表>

妊娠が成立するまでの道のり

排卵した卵子は、卵管采から卵管に取り込まれ、卵管膨大部で精子が来るのを待ち受けます。
1回のセックスで膣内に放出された1~3億もの精子は、一斉に子宮を目指して泳ぎ出します。
受精できる精子はたった1つです。さまざまな関門をのり越え、卵子に出会えるラッキーな精子は!?
さあ、過酷な生存競争の始まりです。

関門その1:女性の膣内は弱酸性
女性の膣内は、雑菌からの侵入を防ぐため、弱酸性になっています。 しかし、精子はほとんどがタンパク質でできています。 タンパク質の主成分はアミノ酸で、アミノ酸はアルカリ性です。 そのため、膣内では99%の精子が死んでしまうのです。

残った数百万もの精子に救世主が現れます。それが頸管粘液(おりもの)です。アルカリ性の頸管粘液は精子を助け、子宮へと導きます。
関門その2:異物と間違えられる
子宮へとたどり着いた精子を今度は白血球が待ち構えています。 私たちの体は、ウイルスや細菌などの外敵が体内に侵入すると、体は異物とみなし攻撃してやっつけます。 このように異物を攻撃し、排除するのを担っているのが白血球です。 子宮で、精子は異物として認識され、ほとんどの精子は殺されてしまうのです。

白血球から難を逃れた数百の精子たち。卵子のいる卵管膨大部めざして泳いで行きます。
関門その3:卵子を覆う茨の正体
卵子の周りは卵丘細胞という細胞で取り囲まれています。 卵子は自分自身で栄養を作れず、この卵丘細胞が卵子に栄養を与えています。 それと同時に、卵子を保護する役目もしています。 精子たちはこの卵丘細胞をかき分けなくてはならないのです。
関門その4:卵子をまもるバリア
卵丘細胞をかき分けてきた精子たちに最後の関門が待っています。 卵子の表面には透明体という膜があります。 この膜を1番に突き抜けたたった1つの精子だけが卵子と出会い、受精できるのです。

受精が成立すると、受精卵は細胞分裂をはじめます。そして、4日かけて子宮へと移動するのです。

厚くふかふかのベッド(子宮内膜)に潜り込み、着床します。妊娠の成立です。

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