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皮膚疾患

アトピー性皮膚炎 漢方は腸の小さな傷を治し免疫の行き過ぎを正すことで改善

アトピー性皮膚炎について

肌をかきむしる女性

アトピー性皮膚炎の痒みはほんとうに辛いものです。

アトピー性皮膚炎は、以前は乳児期に発病し、慢性的となりますが、年齢が高くなるにしたがって軽快し、やがて自然に治癒するケースが多かったのです。しかし最近では思春期になって発病することも多く、成人になるに従いアトピーも長期化、難治化の傾向をたどってきています。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピーの原因はアレルギーといわれています。私たちの体を守るしくみ「免疫」のはたらきが狂い、体に害しないものにまで過剰に反応してしまうことで皮膚に炎症と痒みを起こしてしまいます。

IgE抗体が関与する即時型(I型)アレルギーと、Tリンパ球が関与する遅延型(IV型)アレルギーが関係しています。アトピー性皮膚炎には症状により大きく2つのタイプがあります。 夏期に悪くなる湿潤型と冬期に悪化する乾燥型です。しかし実際には混合したものが多くみられます。

アトピーの部位は顔、首、手の肘や足の膝の裏側に多くでますが、腕、足、胸、腹、背、尻など全身どこにでも広がるケースが多く、湿疹が移動しやすいのも特徴です。

アトピー性皮膚炎の症状

アトピーの方の湿疹には次のような症状がみられます。1人に複数の症状をみることが多いです。

  • 皮膚に発赤、充血、紅斑のあるもの
  • 皮膚に水泡やびらん、浮腫のあるもの
  • 皮膚が暗赤色で乾燥してポロポロ落ちるもの
  • 皮膚がぶ厚く肥厚し、苔癬化するもの
  • 皮膚の乾燥、角化がつよく亀裂のあるもの
  • 皮膚に色素沈着をおこしているもの
  • 手にも湿疹ができるもの

西洋医学におけるアトピー性皮膚炎への対応

西洋医学での対応は、ステロイド剤や軟膏等の外用薬やかゆみを抑えるための抗アレルギー剤やヒスタミン剤等や、保湿剤等が処方されます。

ステロイド剤を投与する事で、直接炎症を抑える事ができるため、かゆみに対する即効性が期待できます。
体質に問題がない場合には、必要な分量を投与する事で効果が発揮されるため、早い段階でステロイドの量を減らしたり、ステロイドを中止したりする事も可能になります。
虚弱体質の場合には、ステロイドを使っても効果が出にくい場合があったり、投与する量を減らそうとしたりすると逆に悪化してしまう場合があります。
そのため虚弱体質の患者の場合には、ストロイドを長期間使うようになる場合が少なくありません。

アトピー性皮膚炎 漢方治療の仕組み

漢方薬での治療は、肌の状態を診察して情報を得る事ができるため、いつからどのような状態なのか等を問診して弾力や乾燥の具合などを観察し対処します。

分泌物が出ている場合には、体質的に水分の代謝が悪くなって老廃物が溜まっている事が考えられるほか、水分の巡りが悪い状態になっているため、水分の代謝が悪くなった原因を考える必要があります。
水分の代謝が悪くなったのは、気候の影響や体内の水分代謝の機能低下などが考えられます。
漢方ではそれぞれに対応した薬として、分泌物などがある場合には湿気をとばして乾燥させる薬を処方してもらい、水分代謝の機能低下がみられる場合には、内臓を働かせる力を補う薬などを処方して互いの薬効を高められるようにします。

アトピー性皮膚炎には漢方治療がおすすめ

ステロイド剤などを使った西洋医学は即効性があるので、炎症やかゆみ、痛み等を抑えるため使う事が必要な場合もありますが、慢性的なアトピー等、目に見える状態を改善する対策だけではなく、体質を改善するよう体の中から治療をする対策も大切な事です。

開始した時は、ステロイド剤など西洋医学も必要になる場合もありますが、同時に漢方薬による体質改善も行って、炎症やかゆみ等日々苦痛に感じる度合いを考慮しながら、徐々にステロイド剤等を減量していくと良いです。
漢方薬は、症状に対処した対症療法と、発症につながる体質的な要因の改善を同時に行っていきます。
西洋医学のステロイド剤等は、即効性があるので高い効果が期待できますが、副作用の心配もあるので長期使用の場合には注意が必要です。
漢方薬に即効性はないものの、根気よく続ける事で、体質改善が可能になり、ステロイド剤を減量する事もできます。

アトピー性皮膚炎に実績のある漢方薬

症状と体質に合わせ漢方薬を選びます。

  • 消風散(しょうふうさん)
  • 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
  • 湿清飲(うんせいいん)
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
  • 四物湯(しもつとう)
  • 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
  • 通導散(つうどうさん)
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

おわりに

アトピー性皮膚炎で西洋医学のステロイド剤等を投与する方法は、即効性があるため慢性的に使われている方も少なくないのではないでしょうか。
ただ、アトピー性皮膚炎の原因には肌のバリア機能の低下やストレス等、様々な要因が考えられ、西洋医学で肌の表面的な部分の対策だけをしても、根本的な改善にならない場合もあり得ます。

漢方薬に即効性はないものの、根気よく続ける事で体の内側からの治療が可能なので、慢性的なアトピーも改善する事が期待できます。

加美漢方薬局
味好俊治


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