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漢方薬

腰痛におすすめの漢方薬

腰痛は多くの人が悩まされている問題です。
運動不足だと、若い人でも悩まされている場合があります。漢方の視点から見ると、腰痛の原因はおもに2つあります。漢方から見た腰痛の原因と、原因別の腰痛によい漢方薬を紹介します。

腰痛イラスト

漢方から見た腰痛

漢方の視点で分けると、腰痛の原因は大きく2つあります。

●血行が悪い(血瘀、けつお)
●下半身が衰えている(腎虚、じんきょ)

です。
血瘀は若くてもなりがちで、腎虚は加齢でなりがちです。

血瘀(けつお)

いつも座っていたり同じ姿勢をとっていたりなどで血行が悪くなっている状態を指します。
血液がどろどろでもなりやすくなります。血瘀は、定期的に立ち歩いたりストレッチをしたりするだけでもかなり改善されます。冷えて血行が悪くなっている場合もあるので、慢性的な腰痛だと温めると少しよくなる場合も多いです。軽い運動を定期的に行い、夜はしっかり湯船に浸かって体を温め、血行をよくするのが向いています。

腎虚(じんきょ)

加齢や生活の乱れで、体を温め生殖活動に関わるエネルギー、「腎精」(じんせい)が少なくなっている状態を指します。腰がだるくなったり、ひざが衰えたり、トイレが近くなったりします。
体を温め、夜はよく眠ることが大事ですが、漢方薬の助けが必要な場合があります。腎虚でも、入浴して体を温めることは効果的です。

血瘀に使われる漢方薬

疎経活血湯(そけいかっけつとう)

体を温めつつ血の巡りをよくする漢方薬です。全身の筋肉が痛む場合に使われます。
血の量が足りず血の巡りが悪くなっている人向けの薬です。ただ、ある程度以上体力があり、胃腸も強い人向けの漢方薬で、胃腸が弱い人には向いていません。

大防風湯(だいぼうふうとう)

これも体を温めつつ血の巡りをよくする漢方薬です。疎経活血湯が向いているけれど体力がない人向けの薬です。体力と血を補う作用があります。関節痛・リウマチ・通風の薬としてもよく使われています。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

体力充実して便秘がち、ヒステリーがある人の血の巡りをよくする漢方薬です。婦人薬としてもよく使われています。体力がない人は体が冷えて下痢してしまうので飲むべきではありません。便通が悪いと下半身の血行が悪くなるので、便がすっきり出ると気分がよくなる、便秘がちな人に向いている漢方薬です。

折衝飲(せっしょういん)

血の巡りをよくする生薬と、体を温める生薬と、下半身に薬効を導く生薬を組み合わせた漢方薬です。体力が中程度以上ある人の、腰痛・神経痛・肩こり・生理痛によく使われます。桂枝茯苓丸(血の巡りをよくして生理痛を和らげる漢方薬)に多数の生薬を足して下半身の血の巡りをさらによくすることを狙った漢方薬なので、桂枝茯苓丸が向いている人は試してみてもいいかもしれません。

血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)

高血圧の人の頭痛や肩こりによく使われる薬です。体を温めて血の巡りをよくします。下半身に薬効を導く生薬が含まれているので、下半身の血の巡りの悪さにも作用します。血の巡りをよくする漢方薬として古くからある薬ですが、胃腸がある程度丈夫な人向けの漢方薬なので、胃がもたれやすい人はあまり飲むべきではありません。

冠心Ⅱ号方(かんしんにごうほう)

狭心症や心筋梗塞によく使われる漢方薬ですが、血の巡りを強力によくするので、肩こり・頭痛など、血行不良による不調全般によい薬です。非常に胃がもたれやすい人や、非常に体力がない人にはあまり向いていませんが、それ以外であればある程度広く使えます。

腎虚に使われる漢方薬

六味丸(ろくみがん)〈別名:六味地黄丸ろくみじおうがん)

腎虚に使われる基本的な漢方薬です。腎精を補う生薬と、血の巡りをよくする生薬が組み合わせられています。胃腸が弱すぎる人には胃にもたれる場合がありますが、それ以外ではかなり広く使える薬です。子供の発育不良に使われる場合もあります。

八味地黄丸(はちみじおうがん)

六味丸に、体の中心を温める生薬と、体を温めて巡りをよくする生薬を足したものです。腎精のみ補うのではなく、そのエネルギーを体全体にまわしたい場合に使われます。また、トイレが近い場合、尿をためやすくして頻回のトイレを和らげます。

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

六味丸に、下半身に働きかける生薬を足したものです。より腰痛に向いた処方になっています。また、尿を出やすく・ためやすくするので、足のむくみや頻尿にもよく使われます。

腎虚かつ血瘀

大防風湯(だいぼうふうとう)

血瘀に使う漢方薬として紹介した大防風湯ですが、腎虚かつ血瘀の場合にも使えます。六味丸や六味丸の派生処方を使いたいけれど、胃腸が弱かったり体力がなかったりという時に選ばれる場合が多いです。

まとめ

漢方から見て、腰痛には2タイプがあります。
タイプ別に、冷えや体力の有無を重要視してさまざまな漢方薬を使い分けます。
血瘀でも腎虚でもよくないのは冷えです。衣服を工夫して体を冷やさないようにし、入浴はシャワーで済ませるのではなく湯船にしっかり浸かって体を温めましょう。

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