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加美漢方薬局が選ぶ、夏バテにおすすめの漢方薬5選

夏バテは最近の酷暑で増えています。夏バテには、暑さに負けて参ってしまうものと、冷たいものを飲みすぎて胃腸を悪くしてしまうものがありますが、漢方薬はどちらにも対応可能です。夏バテにおすすめな漢方薬を紹介します。

夏バテの女性

暑さ負けの夏バテ

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

構成生薬:知母(ちも)・石膏(せっこう)・人参(にんじん)・甘草(かんぞう)・粳米(こうべい)

体の熱を冷まし、汗で失われた体の潤いを補う薬です。熱中症などで、体が非常に熱く乾いた時に使います。知母は体を冷やし、乾きを癒します。石膏は強力に体を冷やし、体液を補う生薬です。甘草と粳米は胃を保護し、乾きを癒します。人参は体力をつけ、体液を作って乾きを癒す生薬です。

生脈散(しょうみゃくさん)

構成生薬:人参(にんじん)・麦門冬(ばくもんどう)・五味子(ごみし)

体を冷やして潤いを補いつつ、汗の出過ぎを止める薬です。胃腸が弱い人の熱中症や夏バテによく使います。人参は、体力をつけ、体液を作って乾きを癒します。麦門冬は体を冷やしつつ体液を作って粘膜の潤いを補う生薬です。五味子は、体を潤し、体液(汗)の出過ぎを防ぎます。

清暑益気湯(せいしょえっきとう)

構成生薬:黄耆(おうぎ)・人参(にんじん)・陳皮(ちんぴ)・当帰(とうき)・甘草(かんぞう)・五味子(ごみし)・麦門冬(ばくもんどう)・白朮(びゃくじゅつ)・黄柏(おうばく)

生脈散に、体力をつける生薬や胃腸の調子を整える生薬を加えた漢方薬です。夏バテや夏バテによる食欲不振によく使います。黄耆は体力を補い、汗の出過ぎを抑える生薬です。人参は体力と体液を補います。陳皮は胃を動かして消化機能を高める生薬です。当帰は血を補い、乾きを潤します。甘草は各生薬を調和させつつ、体液を補う生薬です。五味子は体を潤し、汗の出過ぎを防ぎます。麦門冬は粘膜を潤し、体液を補う生薬です。白朮は消化器官を元気にし、栄養を吸収しやすくして体力をつけます。黄柏は体を冷やし、人参・麦門冬とともに働いて体液を作る生薬です。

夏は冷たいものを飲むことが多く、胃腸が冷えて疲れてしまいます。すると胃腸が動かなくなり、もたれて調子が悪くなります。また、日本の夏は湿気が高いので、胃腸はその湿気にもやられてしまいます。それらに使われる漢方薬を紹介します。

冷たいもの飲み過ぎの夏バテ

五苓散(ごれいさん)

構成生薬:茯苓(ぶくりょう)・猪苓(ちょれい)・白朮(びゃくじゅつ)・沢瀉(たくしゃ)・桂枝(けいし)

胃腸に溜まった水分を吸収し、余計な水分は尿として体外に出す薬です。むくみ・二日酔い頭痛・低気圧頭痛にも使います。茯苓は胃腸に溜まった水を吸収し、尿として外に出します。猪苓は下半身に働きかけ、体の水分を膀胱へ運んで尿にする生薬です。茯苓と猪苓はお互いの働きを強め合う作用があります。沢瀉は利尿作用を持つ生薬です。白朮は胃腸に溜まった水分を抜きます。桂枝は体を温めて巡りを良くし、腎を温めることで尿を作りやすくし、体の水分代謝を助けます。

藿香正気散(かっこうしょうきさん)

構成生薬:白朮(びゃくじゅつ)・半夏(はんげ)・茯苓(ぶくりょう)・厚朴(こうぼく)・陳皮(ちんぴ)・桔梗(ききょう)・白芷(びゃくし)・蘇葉(そよう)・藿香(かっこう)・大腹皮(だいふくひ)・大棗(たいそう)・生姜(しょうきょう)・甘草(かんぞう)

胃腸に溜まった水を抜き、胃腸の動きもよくする薬です。暑くて冷たいものを飲みすぎて調子が悪くなったときに使います。白朮は胃腸に溜まった水分を抜き消化器官を元気にする生薬です。半夏は胃の動きを良くし吐き気を鎮めます。茯苓は胃腸の水を抜き尿として外に出す生薬です。厚朴と陳皮は良い香りで胃腸の動きを良くします。桔梗は気管支の余分な粘液を取る生薬です。白芷は冷えを追い出し水分代謝を良くします。蘇葉は体を温めて冷えを追い出し、胃をスッキリさせます。藿香は冷えを追い出し、胃腸に溜まった水分を抜き、吐き気を和らげる生薬です。大腹皮は胃腸の動きを良くし尿を増やします。生姜は胃を温めて健康にし、半夏の副作用を抑える生薬です。甘草は各生薬を調和させます。

夏バテ向けの薬膳食材

体の潤いを補う食材や、体の熱を取る食材を紹介します。
体の潤いを補う食材で、手に入りやすいものは以下です。●がついているのは体を冷やす食材なので、夏バテでほてりがある時に特におすすめです。

  • うるち米
  • 豆乳
  • 豆腐●
  • アスパラガス●
  • おくら
  • 白きくらげ
  • きゅうり●
  • ズッキーニ●
  • 冬瓜●
  • トマト●
  • 緑豆もやし●
  • れんこん●
  • うめ(梅干し)
  • キウイフルーツ●
  • すいか●
  • 梨●
  • パイナップル
  • ぶどう
  • マンゴー●
  • メロン●
  • みかん
  • りんご
  • レモン

体の熱を取る食材で、手に入りやすいものは以下です。●がついているのは体を冷やす食材なので、夏バテでほてりがある時に特におすすめです。

  • はとむぎ●
  • こんにゃく●
  • あずき
  • 豆腐●
  • アスパラガス●
  • きゅうり●
  • 空芯菜●
  • クレソン●
  • パクチー●
  • ごぼう●
  • ズッキーニ●
  • せり●
  • セロリ●
  • たけのこ●
  • チンゲン菜
  • 冬瓜●
  • とうみょう
  • なす●
  • はくさい
  • 大豆もやし●
  • 緑豆もやし●
  • モロヘイヤ●
  • レタス●
  • 柿●
  • キウイフルーツ●
  • すいか●
  • 梨●
  • パイナップル
  • バナナ●
  • メロン●
  • レモン
  • あおさ●
  • 昆布●
  • しじみ●
  • ひじき●
  • わかめ●

暑く湿気のある時は胃腸が弱りがちです。これらの食材を、油脂の少ないあっさりした味付けで食べましょう。
また、熱中症予防には、多くの水分と適度な塩分が必須です。普段から意識して取るようにしましょう。スポーツドリンクは糖分過多なので、普段からごくごく飲むには適しません。経口補水液は塩分が高すぎるため、やはり普段から飲むには適しません。気をつけましょう。

夏バテには大阪の加美漢方薬局にご相談を

熱中症になりかけのときは、素早く体温を冷やす冷たい飲み物が効果的です。しかし、熱中症以外のときは内蔵を冷やしてしまい、食欲不振などの不調のもとになります。普段の水分補給はなるべく常温の飲み物にしましょう。また、汗をかきすぎて失った体液の補充には、漢方薬と水分を合わせたものが有効です。

多くの漢方薬をご紹介しましたが、お一人お一人の体質、症状によってお合わせする漢方薬は違ってきます。大阪・加美漢方薬局では体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。 何でもお気軽にご相談下さいませ。


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