加美漢方薬局が選ぶ、喘息におすすめの漢方薬5選
喘息を抑える漢方薬は複数存在します。しかし、体力の有無で漢方薬を使い分ける必要があります。また、喘息が治まったあとの肺のケアにも漢方薬が有用です。喘息の漢方薬で代表的なものと、肺のケアに良い漢方薬を紹介します。
この記事の目次
体力がある
喘息・咳によく使う生薬に麻黄（まおう）があるのですが、体力がない人だと動悸や不眠などの副作用が強く出る可能性があります。麻黄を含む漢方薬はある程度体力がある人に使います。麻黄を含む喘息の漢方薬の代表例は以下です。
五虎湯（ごことう）
構成生薬：麻黄（まおう）・石膏（せっこう）・杏仁（きょうにん）・甘草（かんぞう）・桑白皮（そうはくひ）
強い喘息発作や子供の喘息によく使います。麻黄は咳を鎮め喘息を抑える生薬です。石膏は肺を冷やして炎症を抑え、麻黄の働きを助けます。杏仁は肺を潤し、麻黄と協力して咳を鎮め喘息を抑えます。甘草は各生薬を調和させます。桑白皮は咳を鎮め、肺の水分代謝を良くし、炎症を抑え咳を止めます。
神秘湯（しんぴとう）
構成生薬：麻黄（まおう）・杏仁（きょうにん）・柴胡（さいこ）・陳皮（ちんぴ）・厚朴（こうぼく）・蘇葉（そよう）・甘草（かんぞう）
長引く咳や喘息によく使う薬です。喘息などに神秘的に効くことからこの名前がつけられました。気管支を広げて咳を鎮めるだけでなく、胃の調子をよくして気分もよくしてくれる薬です。麻黄は咳を鎮め喘息を抑えます。杏仁は肺を潤し、咳を鎮め喘息を抑える生薬です。柴胡はストレス症状を抑え、体の熱を取ります。陳皮は胃の動きを良くし、胃に溜まった水分を除いて水分代謝を良くする生薬です。厚朴は胃に溜まったものを下に送り、良い香りで気分を良くし、咳を鎮め喘息を抑えます。蘇葉は体を温めて寒さを散らし、胃を良くするとともに喘息を鎮めます。甘草は各生薬を調和し、炎症を抑える作用も持ちます。
小青竜湯（しょうせいりゅうとう）
構成生薬：麻黄（まおう）・桂枝（けいし）・甘草（かんぞう）・芍薬（しゃくやく）・五味子（ごみし）・乾姜（かんきょう）・細辛（さいしん）・半夏（はんげ）
気管支を広げつつ、体の余計な水分を除いて喘息が出にくくする漢方薬です。水のような鼻水や痰にも効果があるため、風邪一般や花粉症にもよく使われます。麻黄は咳を鎮め喘息を抑える生薬です。また、桂枝と協力して体を強力に温めます。細辛・乾姜・半夏は内臓を温め、痰を取り、余分な水分を取り除く生薬です。芍薬は肺から咳が上がるのを抑え、桂枝と協力して免疫や体を温める働きを調和させます。五味子は肺を温め、肺から上がる咳を押さえる生薬です。芍薬と協力して喘息を抑える作用も持ちます。甘草は桂枝と協力して体の表面を温め、各生薬を調和させます。
体力がない
麻黄を含まない漢方薬を使います。
苓甘姜味辛夏仁湯（りょうかんきょうみしんげにんとう）
構成生薬：茯苓（ぶくりょう）・乾姜（かんきょう）・細辛（さいしん）・五味子（ごみし）・杏仁（きょうにん）・甘草（かんぞう）・半夏（はんげ）
小青竜湯に似た作用を持ちますが、小青竜湯より体力のない人向けの薬です。肺を温めて体の余計な水を出すので、水のような痰にも使います。茯苓は肺や胃に溜まった水を取り尿として外に出す生薬です。乾姜は強力に内蔵を温め、痰を取ります。細辛は体を温め、痰を取り、咳を鎮める生薬です。五味子は肺の粘膜を引き締めて余計な粘液が出るのを抑え、喘息と咳を押さえます。杏仁は肺を潤し痰を取り喘息と咳を押さえます。半夏は咳を押さえ、茯苓と協力して胃に溜まった水分を取る生薬です。甘草は炎症と気管支の筋肉の痙攣を抑え、各生薬を調和させます。
喘息が落ち着いたあと
喘息が落ち着いたあとは、肺のケアをすると再発しにくくなります。肺を潤す漢方薬を紹介します。
麦門冬湯（ばくもんどうとう）
構成生薬：麦門冬（ばくもんどう）・半夏（はんげ）・人参（にんじん）・粳米（こうべい）・甘草（かんぞう）・大棗（たいそう）
気管支を潤して空咳を治す漢方薬です。肺を潤し整えるのに使います。痰が出ない咳、または固い痰が絡む咳に向きます。麦門冬は肺を潤し、体液を作る生薬です。半夏は胃を動かし、痰を取ります。人参は消化機能を高めて体力を付け、体液も作る生薬です。粳米も体力を補い体の渇きを止めます。甘草は消化機能を高め気管支のけいれんを抑える生薬です。大棗は胃腸を良くし精神を安定させます。
喘息のコントロールのために
喘息のコントロールにはステロイド吸入薬や気管支拡張の吸入薬が有効です。しかし、吸入薬だけではなかなか収まらないとき、吸入薬を切らしてしまったときは五虎湯などが役立ちます。また、喘息が出やすい体質の改善には、肺のケアをする漢方薬が有用です。麦門冬湯の他、滋陰降火湯（じいんこうかとう）・滋陰至宝湯（じいんしほうとう）などが肺を潤す漢方薬です。
喘息には大阪の加美漢方薬局にご相談を
多くの漢方薬をご紹介しましたが、お一人お一人の体質、症状によってお合わせする漢方薬は違ってきます。大阪・加美漢方薬局では体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。
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