加美漢方ブログ
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漢方

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漢方薬

憂うつ・落ち込みに効果的な漢方薬のご紹介

憂うつな気分や落ち込みに、漢方が有効な場合があります。
漢方では、憂うつ・落ち込みの原因を大きく2つに分けます。漢方薬はうつ病治療のサポートに使われることも多いです。漢方から見た憂うつ・落ち込みの原因と、憂うつ・落ち込みに使われる漢方薬について紹介します。

鬱の女性

漢方から見た憂うつ・落ち込みの原因

漢方の視点で見ると、憂うつ・落ち込みの原因は大きく2つに分けられます。

気虚

体を温め動かすエネルギーを漢方では「気」と言います。気が不足していると疲れやすく、風邪を引きやすく、冷えやすいです。食欲が出ないこともよくあります。そのため、気の不足で憂うつ・落ち込みが現れる場合があります。気を補って対処します。

気滞

気の巡りが悪い状態です。体を動かすエネルギーがないというより、体の各所の動きが悪い状態です。落ち込みや憂うつ以外に、イライラ、ゲップ、お腹の張りなどが起こる場合があります。気の巡りをよくすることで対処します。

実際の人体では、気虚かつ気滞という場合もあります。その場合は両面から治療を行いますが、気を補うほうが優先です。

憂うつ・落ち込みに使う原因別漢方薬

気虚の場合

六君子湯(りっくんしとう)

気虚かつ食欲がない場合によく使われる漢方薬です。高麗人参を中心に、胃腸に元気をつけて栄養吸収を高める生薬と胃の動きをよくする生薬が組み合わせられています。単なる食欲不振にもよく使われます。

補中益気湯

気虚かつ食欲がない場合によく使われます。胃腸が非常に弱いなら六君子湯ですが、極端に胃腸が弱くないなら補中益気湯がいいでしょう。気を補う生薬だけでなく胃の動きをよくする生薬と血を補う生薬が体力をつけ、元気な体に導きます。

帰脾湯(きひとう)

気虚で食欲がない人向けの漢方薬で、元気が出ずぼーっとしてしまう人向けです。胃腸を整えて栄養吸収をよくしながら、やる気を含めた元気を補います。

加味帰脾湯(かみきひとう)

帰脾湯にイライラや体の熱を取る生薬を加えた漢方薬です。帰脾湯が向いている体質だけれど、イライラやのぼせがある人におすすめの薬です。

人参養栄湯(にんじんようえいとう)

気虚だけれど食欲が無いわけではない、という人に向きます。気を補う生薬複数と血を補う生薬が複数組み合わせられています。また、気持ちを落ち着け安らげる生薬も含まれているので、不眠もある場合に適しています。似た漢方薬に十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)がありますが、これには気持ちを落ち着ける生薬は含まれていません。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)

子供の便秘によく使われる漢方薬ですが、体がひどく疲れている場合にも向いています。食欲がある場合に使う漢方薬です。お腹を温めて腹筋の緊張を緩め、腸の動きをよくします。

甘麦大棗湯(かんばくだいそうとう)

気を補う甘い生薬ばかりで作られた、不眠や情緒不安定によく使われる漢方薬です。激烈なヒステリーによく処方されてきた薬で、胸に不安や悲しみが詰まってあふれ出そうな時に向いていると言われています。

気滞の場合

加味逍遥散(かみしょうようさん)

気血の巡りをよくして気持ちを落ち着かせる漢方薬です。あまり体力がない女性の生理前症候群(PMS)など血の道症によく使われます。不定愁訴にもよく使われます。婦人薬として有名ですが、体質が合えば男性にも使われます。

女神散(にょしんさん)

加味逍遥散と似て、気血の巡りをよくして心を落ち着かせる漢方薬です。ですが、加味逍遥散が向いている人より体力も食欲もある人向けの薬になります。血の道症だけでなく、ストレスが多くて気血の巡りが悪い男性にも使われます。元々、刀傷を負った武士向けの薬でした。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

ストレスが強い人の不眠や不安によく使われる漢方薬です。イライラを楽にする生薬と気持ちを落ち着ける生薬が入っています。みぞおちが張って横隔膜が硬い人に向いています。食欲がなかったり、みぞおち・下腹が冷えていたりする人には、次に紹介する柴胡桂枝乾姜湯のほうが向いています。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

ストレスが強く、喉になにか引っかかったような感触がある人向けの漢方薬です。ある程度の食欲と体力がある人の塞いだ気分をさっぱりさせるのにいい薬です。胃の動きをよくするので、つわりの吐き気に使われる場合もあります。この薬が向く人は、胃の容量以上に食事をとっている場合が多いので、消化のよい食事を少なめに取るようにすると効きが良くなります。

葛根湯合半夏厚朴湯(かっこんとうごうはんげこうぼくとう)

半夏厚朴湯が向いている人で、首のこりや肩こりがひどく気分が塞いでいる人に向いています。神経の緊張が強いと、胃の動きが悪くなるだけでなく、首・肩のこりがひどくなるので、そういう場合に向いています。ただ、葛根湯は長期的に飲む薬ではないので、短期の使用に留めましょう。

香蘇散(こうそさん)

体力があまりなく、胃腸の動きが悪い人に向いた漢方薬です。香りのよい生薬が多く含まれていて、胃が温まって動きが良くなり、気分がすっきりします。体力がない人の風邪にもよく使われます。

憂うつ・落ち込みと漢方

憂うつ・落ち込みの原因は、漢方の視点で見ると大きく2つに別れます。

多くの漢方薬をご紹介しましたが、お一人お一人の体質、症状によってお合わせする漢方薬は違ってきます。体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。

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