加美漢方薬局が選ぶ、老年期におすすめの漢方薬5選
老年期に良い漢方薬は、「腎」を補う生薬が入っていることが多いです。「腎」とは漢方薬の概念で、腎臓そのものではありません。「腎」は尿を作る能力に加えて、生殖能力・成長に必要な力・老化防止の力などを指します。腎を補う生薬としてよく使われる生薬は、地黄(じおう)・山薬(さんやく)などです。この2つの生薬には体を潤す効果もあります。地黄を含む漢方薬を中心に、老年期におすすめの漢方薬を紹介します。

この記事の目次
八味地黄丸(はちみじおうがん)
構成生薬:地黄(じおう)・山茱萸(さんしゅゆ)・山薬(さんやく)・茯苓(ぶくりょう)・桂皮(けいひ)・牡丹皮(ぼたんぴ)・沢瀉(たくしゃ)・附子(ぶし)
老化予防によく使う漢方薬です。がっしりして赤ら顔の人に向いています。地黄は腎精(老化で減る精力)を補う生薬です。山薬も腎精を補います。山茱萸は体を引き締めて腎精が漏れ出ないようにする生薬です。茯苓は胃の余計な水を抜いて胃を健康にします。沢瀉は余計な水分を尿として出す生薬です。牡丹皮は血の巡りを良くします。桂皮と附子は体を強力に温めて巡りを良くする生薬です。
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
構成生薬:地黄(じおう)・山茱萸(さんしゅゆ)・山薬(さんやく)・茯苓(ぶくりょう)・桂皮(けいひ)・牡丹皮(ぼたんぴ)・沢瀉(たくしゃ)・附子(ぶし)・牛膝(ごしつ)・車前子(しゃぜんし)
高齢の人の尿トラブル・下半身のむくみ・腰の冷えに向く漢方薬です。八味地黄丸に、腰や膝に良い牛膝と車前子を加えた薬です。牛膝は腎精を補い、他の生薬の薬効を足膝に導きます。車前子は利尿作用がある生薬です。
麦味地黄丸(ばくみじおうがん)
構成生薬:地黄(じおう)・山茱萸(さんしゅゆ)・山薬(さんやく)・沢瀉(たくしゃ)・茯苓(ぶくりょう)・牡丹皮(ぼたんぴ)・麦門冬(ばくもんどう)・五味子(ごみし)
高齢の人の空咳・寝汗・粘膜の乾燥に使う漢方薬です。地黄・麦門冬・山薬で粘膜を潤し、山茱萸と五味子で体を引き締めて潤いが漏れ出ないようにします。茯苓・沢瀉は余計な水を尿として外に出す生薬です。牡丹皮は血の巡りを良くします。高齢の人によいので、この漢方薬は八千長寿丸という別名も持ちます。
人参養栄湯(にんじんようえいとう)
構成生薬:人参(にんじん)・当帰(とうき)・白朮(びゃくじゅつ)・地黄(じおう)・茯苓(ぶくりょう)・黄耆(おうぎ)・芍薬(しゃくやく)・遠志(おんじ)・甘草(かんぞう)・五味子(ごみし)・桂皮(けいひ)・陳皮(ちんぴ)
食欲不振・四肢のだるさ・息切れなどに使う漢方薬です。高齢者には、フレイル(加齢による衰弱)を予防するために使われます。人参は大いに体力を補い、また胃腸の消化吸収力を高めます。当帰・芍薬・地黄は血を補う生薬です。白朮・茯苓は胃に溜まった余計な水を取って胃を健康にします。黄耆は体力をつけ、また、余計な水分を尿として外に出す生薬です。甘草は胃腸を健康にし、各生薬を調和させます。遠志は血を補って精神を安定させる生薬です。五味子は人参・黄耆と協力して気管支を健康にし、咳を鎮め痰を取ります。また、精神安定作用も持ちます。陳皮は胃を動かして消化を促進する生薬です。桂皮は体を温めて巡りをよくし、他の生薬の薬効を全身に巡らせます。
抑肝散(よくかんさん)
構成生薬:釣藤鈎(ちょうとうこう)・柴胡(さいこ)・甘草(かんぞう)・茯苓(ぶくりょう)・白朮(びゃくじゅつ)・川芎(せんきゅう)
老化に伴うイライラ・怒りっぽさによく使う漢方薬です。釣藤鈎・柴胡・甘草は協力してイライラ・ヒステリー・めまいを和らげます。柴胡にはストレス症状を抑える作用もあります。当帰は血を補い、栄養を与えることで神経が興奮しやすくなるのを抑える生薬です。茯苓と白朮は、ストレス症状により悪くなった消化機能を良くします。また、茯苓には精神安定作用もあります。川芎は当帰と協力して血の巡りを良くする生薬です。また、良い香りで精神を安定させます。
老年期の不調には大阪の加美漢方薬局にご相談を
老化による諸症状を和らげるには、漢方薬が役立ちます。多くの漢方薬をご紹介しましたが、お一人お一人の体質、症状によってお合わせする漢方薬は違ってきます。
大阪・加美漢方薬局では体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。 何でもお気軽にご相談下さいませ。
全国の皆様よりお電話でご相談承ります。お気軽にご相談ください。

Address. 大阪府大阪市平野区加美東3-17-16
Phone. 06-6793-0609
Open. 10:00-18:00
Holiday. 木曜・日曜・祝日


