加美漢方薬局が選ぶ、尿トラブルにおすすめの漢方薬5選
膀胱炎などの尿トラブルは、なかなかトイレに行けない仕事をしている人に多いです。抗生物質などが効果的ですが、漢方薬は抗菌・抗炎症・利尿（尿を増やして菌を流しだす）で膀胱炎に対処します。
猪苓湯（ちょれいとう）
構成生薬：猪苓（ちょれい）・茯苓（ぶくりょう）・沢瀉（たくしゃ）・阿膠（あきょう）・滑石（かっせき）
熱や吐き気があり、水を飲みたがるけれど尿が出ないときに使う漢方薬です。水分代謝をよくしつつ体の炎症を取ります。尿量が増えるので、膀胱炎の時、尿をたくさん出してばい菌を流しだすためによく使う薬です。猪苓は消化器官と肺と腎の水分代謝を良くします。茯苓は消化器官にたまった水を抜き、腎と膀胱に働きかけて利尿する生薬です。沢瀉は腎と膀胱に働きかけて利尿します。滑石は炎症を抑え、水分代謝を良くして膀胱に水分を導く生薬です。阿膠は乾きを抑え、不眠を和らげ、血を止める作用があります。
猪苓湯合四物湯（ちょれいとうごうしもつとう）
構成生薬：猪苓（ちょれい）・茯苓（ぶくりょう）・沢瀉（たくしゃ）・阿膠（あきょう）・滑石（かっせき）・当帰（とうき）・地黄（じおう）・芍薬（しゃくやく）・川芎（せんきゅう）
猪苓湯に、血を補う基本漢方薬の四物湯（しもつとう）を合わせた漢方薬です。膀胱炎などで血尿が出る場合によく使います。猪苓湯で尿を増やしてばい菌を流しだし、四物湯で血を補って膀胱の組織修復を早める薬です。胃にもたれやすい生薬が入っているので、胃腸が弱い人にはおすすめしません。猪苓湯部分は説明してあるので、四物湯について説明します。当帰は血を補い、精神と消化器官を滋養する生薬です。地黄は血と潤いを補い、精神と腎を滋養します。芍薬は血を補い、筋肉を緩める生薬です。川芎は補った血をよく巡らせるために入っています。
五苓散（ごれいさん）
構成生薬：茯苓（ぶくりょう）・猪苓（ちょれい）・白朮（びゃくじゅつ）・沢瀉（たくしゃ）・桂枝（けいし）
全身の水分代謝をよくして尿を増やし、菌を流しだす薬です。消化器官の水分吸収をよくし、余分な組織液を血管内に吸収して、余分な水は尿として外に出します。喉が渇いて水を飲むけれど吐いてしまうときや、脱水症状などにも使います。茯苓と猪苓はともに助け合って体全体の水分代謝を良くし、利尿を促します。沢瀉は利尿する生薬です。白朮は胃腸に溜まった水分を除きます。桂枝は体を温め、特に腎を温めて利尿を促す生薬です。
五淋散（ごりんさん）
構成生薬：山梔子（さんしし）・黄芩（おうごん）・茯苓（ぶくりょう）・当帰（とうき）・芍薬（しゃくやく）・沢瀉（たくしゃ）・甘草（かんぞう）・地黄（じおう）・滑石（かっせき）・木通（もくつう）・車前子（しゃぜんし）
炎症を抑えつつ水分代謝を良くし、尿量を多くする薬です。膀胱炎や尿道炎などによく使います。山梔子は体全体の炎症を抑え、血尿を止める生薬です。茯苓は胃腸の余分な水分を抜き、利尿作用も持ちます。沢瀉は炎症を抑えつつ利尿する生薬です。車前子は炎症を抑えて尿を増やします。黄芩は抗炎症作用と抗菌作用を持つ生薬です。当帰は血の巡りを良くし痛みを抑える目的で入っています。芍薬は血の巡りを促し血行不良による下腹部の痛み・圧迫感を和らげる生薬です。木通は車前子の働きを助け、体の熱を取りつつ利尿します。地黄は体の潤いを補うことで体を冷やす生薬です。甘草は炎症を抑え痛みを止め、各生薬を調和させます。
清心蓮子飲（せいしんれんしいん）
構成生薬：蓮肉（れんにく）・黄芩（おうごん）・麦門冬（ばくもんどう）・地骨皮（じこっぴ）・茯苓（ぶくりょう）・車前子（しゃぜんし）・人参（にんじん）・黄耆（おうぎ）・甘草（かんぞう）
不眠や不安が多い人の尿トラブルによく使う薬です。心因性の頻尿や疲れによる膀胱炎に向いています。体が乾燥して熱を持っている場合に向いた薬なのですが、漢方では疲れで体の潤いを消耗して肌粘膜が乾燥し、体が乾燥して熱を持ったせいで不眠や不安になると考えるので、体を潤す生薬や体力を補う生薬も入っています。蓮肉は精神を落ち着け、抗炎症作用で体の熱を取ります。黄芩は炎症を抑え解熱する生薬です。麦門冬は体を潤すことで心身の熱を取ります。地骨皮は利尿することで余計な熱を水分とともに外に出す生薬です。茯苓は精神を落ち着ける作用と胃腸の余計な水分を抜いて利尿する作用があります。車前子は炎症を取り利尿する生薬です。人参と黄耆は体力をつける目的で入っており、黄耆には利尿作用もあります。甘草は各生薬の調和のために入っています。
尿トラブルには大阪の加美漢方薬局にご相談を
膀胱炎主体で紹介しましたが、前立腺肥大による尿の出にくさや、加齢による頻尿などについては、八味地黄丸（はちみじおうがん）や牛車腎気丸（ごしゃじんきがん）がおすすめです。尿の量を調節し、膀胱に尿をためやすくしてくれます。
多くの漢方薬をご紹介しましたが、お一人お一人の体質、症状によってお合わせする漢方薬は違ってきます。大阪・加美漢方薬局では体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。 何でもお気軽にご相談下さいませ。
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