加美漢方薬局が選ぶ、動悸におすすめの漢方薬5選
心臓に異常が見られなくても動悸がする場合があります。ストレス・高血圧・疲れなどによる動悸なら漢方薬の出番です。原因別に漢方薬を使い分けて対処します。

この記事の目次
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
構成生薬:柴胡(さいこ)・人参(にんじん)・竜骨(りゅうこつ)・牡蛎(ぼれい)・桂枝(けいし)・茯苓(ぶくりょう)・生姜(しょうきょう)・半夏(はんげ)・大棗(たいそう)・(大黄(だいおう)を加える場合もあり)
不眠・不安・高血圧の随伴症状に使う漢方薬です。柴胡はストレス症状を和らげ、精神的な安定を導きます。人参は体力を補う作用があり、心身の消耗を補って神経の過敏さを和らげる生薬です。竜骨と牡蛎はともに鎮静作用を持ち、心神を安定させて不安感・焦燥感・動悸・不眠を鎮めます。竜骨と牡蠣は互いの鎮静・安神作用を高め合う組み合わせです。桂枝は身体を温めて気血の巡りを助けることで、緊張による冷えや自律神経の乱れを整えます。茯苓は消化器官の水分代謝を調整しながら精神を安定させる生薬です。生姜は胃を温めて消化を助け、半夏との組み合わせにより吐き気や胃部の不快感を緩和します。半夏は特に吐き気を沈め胃の水分代謝を良くすることで精神的な圧迫感や動悸を軽減します。生姜は半夏の副作用を軽減する生薬です。大棗は体力を補いつつ精神を安定させ、緊張状態を緩め、全体の調和をとる役割も果たします。
苓桂甘棗湯(りょうけいかんそうとう)
構成生薬:茯苓(ぶくりょう)・桂皮(けいひ)・大棗(たいそう)・甘草(かんぞう)
気持ちを落ち着け、不安やストレスを和らげる漢方薬です。緊張しすぎてめまいや頭痛がある人に向いています。茯苓は利尿作用に優れ、体内の余分な水分を除きつつ、心神を安定させます。桂皮は体を温めて気血を巡らせることで、冷えや血行不良による神経症状を改善する生薬です。桂皮と茯苓の組み合わせは利尿と気の巡りに相乗効果を持ち、脳や内耳の浮腫によるめまいや不安感を改善します。大棗は体力をつけて精神を安定させ、消化吸収を助けながら精神的な緊張をやわらげ、茯苓と協力して心神を落ち着ける効果を高めます。甘草は他の生薬の作用を調和させ、脾胃を助けてエネルギーを補い、大棗との相乗効果で精神安定作用と消化器官の健康を促進します。
血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)
構成生薬:桃仁(とうにん)・紅花(こうか)・当帰(とうき)・地黄(じおう)・川芎(せんきゅう)・芍薬(しゃくやく)・牛膝(ごしつ)・桔梗(ききょう)・柴胡(さいこ)・枳穀(きこく)・甘草(かんぞう)
高血圧や血行不良による頭痛・肩こり・頭重・のぼせに使う漢方薬です。桃仁は血の滞りを流して強力に血の巡りをよくする作用があり、紅花との組み合わせで血の巡りをよくする作用が強化されます。当帰は血を補いつつ血行をよくし、月経不順や冷えにも効果を発揮する生薬です。地黄は血を補い、血の量を増やして血を巡りやすくします。川芎は血行を促進しながら気の巡りも整え、慢性的な頭痛や肩こりに有効な生薬です。芍薬は筋肉の緊張を緩め、疼痛を緩和しつつ血を補います。また、川芎と組み合わせることで筋肉や血管のけいれんや痛みを効果的に和らげます。牛膝は特に下半身の血の巡りを良くし、下半身のうっ血・関節痛・月経異常に効果を発揮します。桔梗は上半身に働き、のどや胸部の詰まり感を改善する生薬です。柴胡はストレス症状を抑えて、情緒の抑鬱やイライラを鎮めます。枳穀は消化機能を高めて気の巡りを整え、腸内ガスや腹部の膨満感などを改善し、柴胡と協力してストレス症状を和らげます。甘草は全体の薬性を調和し、他の生薬の作用を調整する働きを持ちます。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
構成生薬:黄連(おうれん)・黄芩(おうごん)・黄柏(おうばく)・山梔子(さんしし)
炎症を取り強力に体を冷やす漢方薬です。アトピーの痒みや強いのぼせなどに使います。黄連はイライラや不眠、口内炎などの上焦の熱を鎮める働きがあり、消化器系にも作用して胃の熱や嘔吐にも効果を発揮します。黄芩は主に肺や胃腸の熱を冷まし、黄連と協力して上半身とみぞおちの熱を冷ます生薬です。黄柏は下半身の熱を冷まし、特に泌尿器や生殖器周辺の炎症や熱に効果を発揮します。山梔子は全身のあらゆる熱を排出し、黄連・黄芩と組み合わせることによって熱を抑えます。
生脈散(しょうみゃくさん)
構成生薬:人参(にんじん)・麦門冬(ばくもんどう)・五味子(ごみし)
体の潤いを補うのに特化した漢方薬です。潤いが足りず、体を冷やす力が足りなくてほてる人に向いています。汗は体の潤いなので、夏に汗をたくさんかいて夏バテした人によく使う薬です。人参は体力を補う作用に優れ、肺と消化器官の機能を高めて気を養い、体力や呼吸機能を回復させ、過剰な発汗や倦怠感を改善します。麦門冬は体液を補い、肺と胃を潤して喉の渇き・乾いた咳・微熱を鎮める生薬です。五味子は収斂作用により汗や気の漏れを防ぎ、肺気を引き締めて咳や息切れを改善します。五味氏と麦門冬の組み合わせは体液の保持と潤いの維持に相乗効果を持ちます。人参と麦門冬も相乗効果を持ち、体力と体液を同時に補うことで心肺機能を回復します。また人参と五味子も気(体力)と気の漏れを防ぐ作用が調和し、元気の回復と維持を両立させる組み合わせです。さらに麦門冬と五味子の組み合わせは、肺の潤いを保ちつつ収斂させ、咳や喉の渇きを鎮めながら体液を守ります。
動悸には大阪の加美漢方薬局にご相談を

心臓の異常以外での動悸なら漢方薬はよく役に立ちます。
多くの漢方薬をご紹介しましたが、お一人お一人の体質、症状によってお合わせする漢方薬は違ってきます。大阪・加美漢方薬局では体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。 何でもお気軽にご相談下さいませ。
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