がん・癌(悪性腫瘍)について 漢方はどんな治療を受けられるにしても免疫力を強化する
がんは正常な細胞が変異を起こして、がん細胞に変わり細胞増殖(分裂して増える)のコントロールがまったく効かなくなって、勝手に増え続けてしまう病気です。
細胞のがん化は遺伝子に異常が生じる(突然変異)ことで起きます。
私たちの体は約60兆個もの細胞から成り立っていますが、各細胞の核の中には体をつくる情報が書かれた「DNA(デオキシリボ核酸)」があります。
そのDNAに書かれた情報の1つ1つを遺伝子といいます。 発生したがん細胞が増殖し、Ⅹ線写真で発見できる1cmほどの大きさになるまでに、平均して10~15年、遅いものでは20~30年ほどかかるといわれています。
この記事の目次
- がんと免疫力
- 良性腫瘍と悪性腫瘍はどう違う?
- 抗がん剤の副作用でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が体を支える漢方相談
- 抗がん剤による食欲不振――「食べる力」を大切に考えます
- 抗がん剤による倦怠感でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える「疲れやすさ」と体力回復
- 抗がん剤による手足のしびれでお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える末梢神経障害と漢方
- 抗がん剤による吐き気でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える吐き気・嘔吐と漢方
- 抗がん剤による味覚障害でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える味覚の変化と漢方
- 抗がん剤による口内炎でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える口の痛みと漢方
- 抗がん剤による下痢でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える下痢と漢方
- 抗がん剤治療中の便秘でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える便秘と漢方
がんと免疫力
私たちのからだでは毎日数千個のがん細胞が生まれているといわれています。
がんは体内に発生した一種の異物です。健康な人ががんにかからないのは、比較的初期の段階で自然免疫系に属するマクロファージやNK細胞が、また一定以上にがん細胞が増殖した場合は獲得免疫系のキラーT細胞などが活躍してがんを排除しているといわれています。
免疫力は白血球の力です。がんにはこれら白血球の仲間がいつも元気にチームプレーをして排除してくれるよう、免疫力を高めていくことが大切です。
良性腫瘍と悪性腫瘍はどう違う?
腫瘍は細胞が異常増殖してできたものを指します。遺伝子の変異が多数重なり、浸潤や転移などを起こす腫瘍が悪性腫瘍です。
一方良性腫瘍は変異が少なく、ほかの組織の細胞と接触すると、そこで増殖をやめます(浸潤しない)。またほかの臓器では増殖できないので転移はしません。
悪性腫瘍が一般に「がん」と呼ばれ、歯止めなく無限大に大きくなっていくいことで、自分の宿主である人の命をうばっていきます。
正確には内臓や皮膚、粘膜などを形成する上皮細胞に発生するものを「がん」、それ以外にできるものを「肉腫」と区別します。
抗がん剤の副作用でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が体を支える漢方相談
「このつらさを、少しでも楽にしたい」──その思いに寄り添います
「抗がん剤を始めてから食欲がなくなってしまった。」 「一日中だるく、起き上がることさえつらい。」 「手足がしびれて細かい作業ができない。」 「味が分からなくなり、食事が苦痛になった。」 「口内炎が痛く、水を飲むことさえつらい。」
がんと診断されるだけでも、大きな不安や悲しみがあります。そのうえ、治療が始まると抗がん剤の副作用によって、これまで当たり前だった日常生活が大きく変わってしまうことがあります。
大阪の当薬局にも、乳がん、肺がん、大腸がん、胃がん、膵臓がん、前立腺がんなど、さまざまながん治療中の患者さんやご家族が相談に来られます。
皆さんがお話しされる内容には共通点があります。
「がんと闘る覚悟はできています。でも、この副作用が本当につらいのです。」
「治療を続けたい。でも体力が続くか心配です。」
「少しでも食べられるようになりたい。」
その言葉を聞くたびに、私たちは治療のつらさだけでなく、その奥にある「希望を失いたくない」というお気持ちを感じます。 私たちは、その思いに寄り添いながら漢方相談を行っています。
漢方は、がんを治す薬ではありません。しかし、体を支えることは目指せます
まず最初にお伝えしたいことがあります。
漢方薬は、がんそのものを治療する薬ではありません。
現在のがん治療の基本は、手術、抗がん剤、放射線治療、分子標的薬、免疫療法など、科学的な根拠に基づいた標準治療です。
私たちは、それらの治療を否定することはありません。
むしろ、「治療を続けたい」という患者さんの願いを大切にし、そのために体調を整えるお手伝いをすることが漢方の大切な役割だと考えています。
抗がん剤治療では、食欲不振、吐き気、倦怠感、手足のしびれ、味覚障害、口内炎、下痢、便秘、睡眠障害など、さまざまな副作用が起こることがあります。
もちろん、すべての方に漢方が同じように役立つわけではありません。効果の現れ方には個人差があります。
しかし、一人ひとりの体質や現在の体調に合わせて漢方を選ぶことで、「食事が少しずつ食べられるようになった」「以前より疲れにくくなった」「治療後の回復が楽になった」と感じる方もいらっしゃいます。 私たちは、そのような日々の積み重ねを大切にしています。
漢方は「病名」ではなく、「今のあなた」を診ています
同じ乳がんでも、同じ抗がん剤を使っていても、副作用の現れ方は人それぞれです。
- 食欲不振が強い方。
- 吐き気が続く方。
- 強い倦怠感に悩まされる方。
- 手足のしびれが辛い方。
- 冷えが強くなる方。
- 眠れない方。
- 不安で涙が止まらなくなる方。
同じ病名であっても、体の状態は決して同じではありません。 漢方では、病名だけで処方を決めることはありません。
- 食欲はどうか。
- 眠れているか。
- 便通はどうか。
- 冷えはあるか。
- 汗のかき方はどうか。
- 疲れ方はどうか。
- 気持ちは落ち込んでいないか。
こうした一つひとつを丁寧に伺いながら、「今、この方の体は何を必要としているのか」を考えます。 体全体のバランスを整え、その人が本来持っている力を支えること。それが漢方の基本的な考え方です。
なぜ抗がん剤の副作用が起こるのでしょうか
抗がん剤は、増殖の速いがん細胞を攻撃するための大切な薬です。
しかし、私たちの体には、健康な細胞の中にも増殖の速い細胞があります。
例えば、口の中や胃腸の粘膜、髪の毛、血液をつくる骨髄などです。
そのため、抗がん剤の影響が健康な細胞にも及ぶことで、副作用が現れることがあります。
食欲が落ちたり、口内炎ができたり、下痢や便秘が起きたり、疲れやすくなったりするのも、その一つです。
また、副作用が続くことで十分な食事が取れなくなり、筋力や体力が低下し、気持ちまで沈んでしまうこともあります。
「こんなにつらいなら治療をやめたい。」
そう思ってしまうほど苦しい日もあるでしょう。 だからこそ、私たちは副作用を我慢するのではなく、「少しでも体を楽にする方法はないか」を一緒に考えることが大切だと思っています。
漢方医学では副作用をどのように考えるのでしょうか
漢方では、副作用を一つの症状だけで考えることはありません。 例えば、食欲不振だけを見て薬を選ぶのではなく、「なぜ食欲が落ちているのか」を全身の状態から考えます。
- 胃腸の働きが弱っているのか。
- 体力そのものが低下しているのか。
- 血流が滞っているのか。
- 体が冷えているのか。
- あるいは、心配や不安によって体の働きが乱れているのか。
原因は一人ひとり異なります。
そのため、漢方では「病気を診る」のではなく、「人を診る」という考え方を大切にしています。
同じ「抗がん剤による副作用」というお悩みでも、患者さんによって漢方の考え方やご提案は変わります。 それが漢方の特徴であり、一人ひとりに寄り添う医療のあり方だと私たちは考えています。
抗がん剤による食欲不振――「食べる力」を大切に考えます
抗がん剤治療中の患者さんから、非常によく伺うのが食欲不振のお悩みです。
「食べなければ体力が落ちると分かっている。でも、どうしても食べられない。」
ご家族から「少しでも食べて」と言われることが、かえってつらく感じられる方もいらっしゃいます。
食欲不振の背景には、吐き気や味覚の変化、口内炎、胃腸機能の低下、倦怠感、精神的な不安など、さまざまな要因が重なっていることがあります。
漢方では、単に「食欲を出す」ということだけを考えるのではありません。
胃腸が弱っているのか、体力そのものが低下しているのか、冷えが強いのか、精神的な緊張や不安が胃腸の働きに影響しているのか。その方の状態を丁寧に見ながら、食べる力と消化する力を支えることを目指します。
治療中に大切なのは、無理に頑張ることだけではありません。
一口でも「おいしい」と感じられること。
昨日より少し食べられること。 そうした小さな変化を大切にしながら、体力の維持と回復を支えていきます。
抗がん剤による倦怠感――「何もしていないのに疲れる」というつらさ
抗がん剤治療中の倦怠感は、単なる疲れとは違います。
「朝起きた瞬間から体が重い。」
「少し歩いただけで横になりたくなる。」
「以前は簡単にできた家事ができなくなった。」
このような状態が続くと、「自分が弱くなってしまった」と感じ、気持ちまで落ち込んでしまうことがあります。
しかし、治療中の倦怠感には、食事量の低下、睡眠不足、貧血、痛み、精神的な緊張など、さまざまな原因が関係することがあります。
漢方相談では、「疲れる」という一言だけで判断しません。
朝がつらいのか、午後から疲れるのか。食後に眠くなるのか。息切れや動悸はないか。眠れているのか。体が冷えていないか。
こうした状態を詳しく伺いながら、その方に合った方法を考えていきます。
私たちが目指すのは、無理に元気を出させることではありません。 患者さんの今の体力に合わせながら、「昨日より少し楽に動けた」という日を一日ずつ増やしていくことです。
吐き気やむかつきでお困りの方へ
抗がん剤治療による吐き気は、患者さんにとって大きな負担になる副作用の一つです。
現在は吐き気止めの進歩によって症状を抑えられる場合も増えていますが、それでも胃のむかつきや食欲不振が続く方はいらっしゃいます。
漢方では、吐き気だけを見るのではなく、胃のもたれ、膨満感、口の渇き、冷え、便通なども確認します。
ただし、強い吐き気や嘔吐が続き、水分も取れない場合は、脱水などにつながる可能性があります。そのようなときは我慢せず、まず主治医や医療スタッフに相談することが大切です。 漢方は医療機関での副作用対策に代わるものではなく、主治医の治療と連携しながら体調を支えるために用いることが大切だと考えています。
手足のしびれ――日常生活の小さな困難にも目を向けます
「指先がしびれて、ボタンが留めにくい。」
「足の裏に違和感があり、歩くのが怖い。」
「冷たいものに触れると痛みを感じる。」
抗がん剤の種類によっては、末梢神経への影響から手足のしびれや痛みなどが現れることがあります。
しびれは外からは分かりにくいため、周囲の人に理解されにくいこともあります。しかし、患者さんにとっては毎日の生活に関わる切実な問題です。
漢方では、しびれという症状だけでなく、冷え、血流の状態、痛みの性質、体力の低下などを総合的に考えます。
しびれが強くなった場合や、歩行や日常生活に支障が出てきた場合は、早めに主治医へ伝えることも大切です。 我慢を続けるのではなく、医療機関と情報を共有しながら、できることを一緒に考えていきます。
味覚障害や口内炎――「食べる喜び」を守るために
「何を食べても苦い。」
「金属のような味がする。」
「以前好きだった料理がおいしく感じられない。」
「口内炎が痛くて食べられない。」
味覚の変化や口内炎は、食欲や栄養状態にも影響することがあります。
食べることは、栄養を取るためだけではありません。
家族と食卓を囲む時間や、「今日はこれがおいしかった」と感じる瞬間は、日々を生きる喜びにもつながっています。
だからこそ私たちは、味覚障害や口内炎を「小さな副作用」とは考えません。 口の中の状態、乾燥の程度、食欲、胃腸の状態、体力などを丁寧に確認し、全身の状態から考えていきます。
下痢・便秘――胃腸の状態は体力にも影響します
抗がん剤治療中には、下痢や便秘に悩む方もいらっしゃいます。
下痢が続けば水分や体力が失われ、便秘が続けば腹部の張りや食欲低下につながることがあります。
漢方では、便の状態だけではなく、食事量、水分摂取、腹部の冷えや張り、胃腸の働きなどを確認します。
同じ便秘でも、体力が低下している方と、腹部の張りが強い方とでは考え方が異なります。 症状の背景を丁寧に見極めることが、一人ひとりに合わせた漢方相談では重要です。
抗がん剤と漢方は一緒に飲めますか?
これは、がんの漢方相談でよくいただく質問です。
漢方薬と抗がん剤を併用できる場合はありますが、治療内容や使用している薬、患者さんの肝臓や腎臓の状態などによって慎重な判断が必要です。
そのため、自己判断で漢方薬や健康食品を追加するのではなく、現在の治療内容を確認したうえで相談することが大切です。 当薬局では、抗がん剤だけでなく、その他の処方薬や健康食品などについてもお伺いし、安全性に配慮しながら漢方をご提案します。
いつ相談すればよいのでしょうか?
「副作用がひどくなってから相談した方がよいですか?」
このように聞かれることがあります。
つらい症状があるときはもちろんですが、治療を始める前や、治療が始まって間もない時期に相談される方もいらっしゃいます。
大切なのは、我慢を重ねて限界になってから相談することではありません。
食欲が落ちてきた。
以前より疲れやすくなった。
眠れなくなった。
便通が変わった。
こうした小さな変化も、体からの大切なサインです。
気になることがあれば、早めに主治医へ伝え、必要に応じて漢方相談を利用するという選択肢もあります。
大阪で抗がん剤の副作用にお悩みの方へ
がん治療は、検査の数値だけで進んでいくものではありません。
その一日一日には、患者さんの生活があります。
朝起きること。
食事をすること。
家族と話すこと。
少し外を歩くこと。
夜、安心して眠ること。
私たちは、こうした日常の一つひとつを大切にしたいと考えています。
「治療を続けたい。でも、体がつらい。」
「少しでも食べられるようになりたい。」
「もう少し元気に家族と過ごしたい。」
そのお気持ちを、どうぞ一人で抱え込まないでください。
大阪の当薬局では、現在の治療状況やお薬の内容を確認しながら、食欲不振、倦怠感、吐き気、手足のしびれ、味覚障害、口内炎、下痢、便秘など、一人ひとりのお悩みを丁寧に伺っています。
漢方にできることには限界があります。
だからこそ、できることとできないことを正直にお伝えしながら、その方にとって何が必要なのかを一緒に考えることを大切にしています。
がんと向き合う時間の中にも、穏やかに食事を楽しめる日があり、家族と笑える時間があり、季節の風を心地よいと感じる瞬間があります。
治療を受ける「患者さん」である前に、一人の人として、その方らしい毎日を少しでも大切にしていただきたい。
そのために漢方がお手伝いできることを、私たちは患者さんと一緒に考えていきます。 抗がん剤の副作用や体力低下でお困りの方、ご家族の体調を心配されている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
抗がん剤による倦怠感でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える「疲れやすさ」と体力回復
「何もしていないのに疲れる」――そのつらさは、周りから見えにくいものです
「朝、目が覚めた瞬間から体が重い。」
「少し歩いただけなのに、すぐ横になりたくなる。」
「以前は普通にできていた家事が、今はとてもつらい。」
「十分に休んでいるはずなのに、疲れが取れない。」
「家族には元気そうに見えると言われるけれど、本当は体がずっと重い。」
大阪の当薬局で、がん治療中の患者さんからよく伺うお悩みの一つが、抗がん剤治療中の倦怠感です。
倦怠感のつらいところは、痛みや発熱のように外から分かりやすい症状ではないことです。
顔色も悪くない。
会話もできる。
検査の数値にも大きな問題がない。
それでも、ご本人には「体の中から力が抜けてしまったようなつらさ」があります。
そのため、
「自分が怠けているような気がする。」
「もっと頑張らなければいけないのではないか。」
「家族に迷惑をかけて申し訳ない。」
と、自分を責めてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、がん治療中の倦怠感には、さまざまな原因が関係しています。
単なる気持ちの持ち方の問題ではありません。 私たちはまず、「頑張って元気になりましょう」と励ますのではなく、その方の体で今、何が起こっているのかを丁寧に考えることから漢方相談を始めます。
抗がん剤治療中の倦怠感は、なぜ起こるのでしょうか
がん治療中の倦怠感は、一つの原因だけで起こるとは限りません。
抗がん剤などの治療による体への負担。
食欲不振による栄養状態の低下。
吐き気や下痢による水分不足。
貧血。
痛みによる体力の消耗。
夜に十分眠れないこと。
治療に対する不安や緊張。
こうしたさまざまな要因が重なって、強い疲労感やだるさにつながることがあります。
そのため、「疲れているから体力をつければよい」と単純に考えることはできません。
例えば、食事が十分に取れていない方には、食欲不振への対応が大切です。
眠れない日が続いている方には、睡眠の状態を考える必要があります。
息切れや動悸を伴う方では、貧血など別の原因がないかを確認することも大切です。
発熱を伴う場合には、感染症などへの注意も必要になります。
倦怠感という一つの症状の奥に、何が隠れているのか。 そこを丁寧に考えることが大切です。
漢方では「疲れ」を一つのものとして考えません
「抗がん剤の倦怠感には、この漢方薬。」
私たちは、そのような一律の考え方はしていません。
漢方では、同じ「疲れる」という症状でも、疲れ方の違いを大切にします。
朝から体が重く、起き上がるのがつらいのか。
午前中は動けるけれど、午後になると急に疲れるのか。
少し動くだけで息切れや動悸がするのか。
食後にぐったりしてしまうのか。
体が冷えて動く気力が出ないのか。
眠りが浅く、朝になっても疲れが残っているのか。
不安や緊張が続き、心も体も休まらないのか。
こうした違いを詳しく伺います。
さらに、食欲、睡眠、便通、冷え、口の渇き、汗のかき方なども確認し、体全体の状態を考えます。
同じ倦怠感でも、胃腸が弱って体を支える力が不足している方もいれば、睡眠や精神的な緊張が大きく影響している方もいます。 だからこそ、漢方相談では「倦怠感」という症状だけを見るのではなく、その方全体を見ることを大切にしています。
漢方が目指すのは、無理に元気を出させることではありません
体がつらいとき、人はどうしても焦ります。
「以前のように動かなければ。」
「家族に心配をかけてはいけない。」
「治療を続けるために、もっと体力をつけなければ。」
そう思って、無理をしてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、弱っている体にさらに無理を重ねると、かえって疲れが強くなることがあります。
私たちが漢方相談で大切にしているのは、無理に元気を出させることではありません。
今の体の状態を見ながら、食べること、眠ること、休むこと、そして少し動くことのバランスを整えていくことです。
昨日は一日中横になっていたけれど、今日は少し庭に出ることができた。
以前は食事の後すぐに横になっていたけれど、今日は家族と少し話ができた。
朝から何もする気になれなかったけれど、今日は散歩に行ってみようと思えた。
そうした小さな変化の積み重ねを、私たちは大切にしたいと考えています。
倦怠感が強いときは、「休むこと」も治療生活の一部です
疲れているときに休むことは、怠けることではありません。
治療中の体にとって、休息は大切です。
ただし、一日中無理に眠ろうとする必要はありません。
倦怠感には、強い時間帯と比較的楽な時間帯がある方もいらっしゃいます。
「午前中は少し動ける。」
「治療後の数日はつらいけれど、その後は少し楽になる。」
自分の体調の波を知ることも大切です。
比較的体が楽な時間に、優先したいことを行い、疲れる前に休む。
一度にすべての家事をしようとせず、途中で短い休息を入れる。
家族に頼めることはお願いする。
体調が許し、主治医から運動を止められていなければ、無理のない範囲で体を動かすことについて医療スタッフに相談してみるのも一つの方法です。
大切なのは、「昨日の自分」や「治療前の自分」と競争しないことです。 今の体に合った一日の過ごし方を見つけることが、治療生活を長く支える力になります。
食欲と倦怠感は深く関係しています
倦怠感のご相談を伺っていると、食欲不振を同時に抱えている方が少なくありません。
食べられない。
体力が落ちる。
動くことがつらくなる。
さらに食欲がなくなる。
このような悪循環に入ってしまうことがあります。
そのため、漢方相談では倦怠感だけでなく、
「一日にどのくらい食べられていますか。」
「体重は減っていませんか。」
「水分は取れていますか。」
「味覚に変化はありませんか。」
「口内炎はありませんか。」
といったことも詳しく伺います。
倦怠感の改善を考えるうえで、食べる力を支えることが大切な場合もあるからです。
体は、それぞれの症状が別々に存在しているわけではありません。
食欲、睡眠、便通、気力、体力は互いに関係しています。 一つの症状だけを見るのではなく、体全体を見て考えることが漢方の特徴です。
強い倦怠感があるときは、我慢せず主治医に相談してください
「抗がん剤の副作用だから仕方がない。」
そう思って、強い倦怠感を我慢している方もいらっしゃいます。
しかし、倦怠感の背景には、貧血、感染症、脱水、栄養状態の低下、痛み、睡眠の問題など、医学的な対応が必要な原因が関係していることがあります。
特に、急に強いだるさが現れた場合や、発熱、息苦しさ、強い動悸、意識がぼんやりするなど、いつもと違う症状がある場合には、自己判断で様子を見ず、主治医や治療を受けている医療機関に連絡してください。
漢方相談は、病院での検査や治療に代わるものではありません。
必要な医療を受けながら、その方の体調や生活をどのように支えていけるのか。 私たちは、そのことを患者さんと一緒に考えていきます。
抗がん剤治療中でも漢方薬は飲めますか?
抗がん剤治療中に漢方薬を併用できる場合はあります。
しかし、抗がん剤の種類や治療スケジュール、その他の処方薬、肝臓や腎臓の状態、食事の状況などによって、慎重に考える必要があります。
「体に良さそうだから」と自己判断で漢方薬や健康食品、サプリメントを追加することはおすすめできません。
大阪の当薬局では、現在の治療内容や服用中のお薬などを確認しながら、安全性に配慮して漢方をご提案しています。 お薬手帳や治療内容が分かる資料があれば、相談の際にお持ちください。
「もう一度、自分らしく過ごしたい」――その思いを大切にします
がん治療中の患者さんにとって、「元気になる」という言葉の意味は一人ひとり違います。
旅行に行けることかもしれません。
近所を散歩できることかもしれません。
自分で食事を作ることかもしれません。
家族と一緒に食卓を囲むことかもしれません。
あるいは、今日は一日穏やかに過ごせた、ということかもしれません。
私たちは、その方にとっての「元気」を大切にしたいと考えています。
「治療を続けたい。でも、体がつらい。」
「一日中だるくて、何もする気になれない。」
「家族に心配をかけたくないけれど、本当はとても疲れている。」
そのようなお悩みがありましたら、一人で抱え込まずにご相談ください。
大阪の当薬局では、現在の治療状況、倦怠感の程度や時間帯、食欲、体重の変化、睡眠、便通、冷え、息切れや動悸などを丁寧に伺いながら、一人ひとりの状態に合わせた漢方相談を行っています。
治療のある日も、治療のない日も、その方の人生の大切な一日です。
少しでも体が楽に感じられること。
食事を楽しめること。
夜に穏やかに眠れること。
そして、自分らしい時間を過ごせること。
そのために漢方がお手伝いできることを、患者さんと一緒に考えてまいります。 抗がん剤治療中の倦怠感や疲れやすさ、体力低下でお困りの方、ご家族の体調を心配されている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
抗がん剤による手足のしびれでお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える末梢神経障害と漢方
「このしびれは、いつまで続くのでしょうか」
「指先がいつもジンジンしている。」
「手袋をしているような感じで、指先の感覚が鈍い。」
「足の裏に何か一枚張り付いているような違和感がある。」
「ボタンを留めたり、小銭を取り出したりすることが難しくなった。」
「歩いていると足の感覚が分かりにくく、転びそうで怖い。」
大阪の当薬局で、がん治療中の患者さんからご相談を受ける症状の一つが、抗がん剤による手足のしびれです。
患者さんから、よく聞かれることがあります。
「このしびれは、治療が終わればすぐに治るのでしょうか。」
「これ以上ひどくなったらどうしよう。」
「抗がん剤治療は続けたい。でも、しびれも怖いのです。」
治療を続けたいという気持ち。
これ以上しびれが強くなることへの不安。
その二つの気持ちの間で悩んでいる方も少なくありません。
しびれは、周囲の人からは見えにくい症状です。
しかし、ご本人にとっては、一日中続く不快感であり、日常生活そのものに関わる大きな問題です。 私たちは、そのつらさを「しびれくらい」と軽く考えないことが大切だと思っています。
抗がん剤による手足のしびれとは
抗がん剤の種類によっては、手足の感覚を伝える末梢神経に影響を与え、末梢神経障害が起こることがあります。 症状の感じ方は人によって異なります。
ビリビリする。
ジンジンする。
チクチクする。
焼けるように痛い。
冷たいものに触れると強く痛む。
手袋や靴下を着けているように感覚が鈍い。
指先に力が入りにくい。
足の裏の感覚が分かりにくい。
このように、「しびれ」という一つの言葉では表せないほど、症状にはさまざまな違いがあります。
また、しびれが強くなると、衣服のボタンを留める、箸を持つ、文字を書く、小銭をつまむといった細かな作業が難しくなることがあります。
足の感覚が低下すると、歩きにくくなったり、つまずきやすくなったりすることもあります。
「痛い」というだけではありません。
これまで何気なくできていた日常生活の動作が、少しずつ難しくなっていく。
それが、抗がん剤による手足のしびれのつらさの一つです。
しびれを我慢しすぎないことが大切です
「抗がん剤の副作用だから仕方がない。」
そう思って、しびれを我慢している方がいらっしゃいます。
また、「しびれのことを先生に言ったら、抗がん剤治療を中止されるのではないか。」と心配して、主治医に症状を伝えられない方もいます。
しかし、しびれの程度は治療を安全に進めるうえで大切な情報です。
いつ頃から始まったのか。
最初は指先だけだったのか。
足にも広がってきたのか。
物を落とすようになったのか。
歩きにくくなってきたのか。
こうした変化を主治医や医療スタッフに伝えることは、とても大切です。
治療薬の種類や治療状況によって対応は異なりますので、自己判断で治療を中断するのではなく、まず担当の医療スタッフに相談してください。
漢方相談も、病院での治療に代わるものではありません。 主治医による治療と副作用の管理を大切にしながら、その方の体全体をどのように支えることができるのかを一緒に考えていきます。
漢方では「しびれ」だけを見て考えません
「抗がん剤のしびれには、この漢方薬。」
私たちは、そのような一律の考え方はしていません。
漢方では、同じ手足のしびれでも、その方の体全体の状態を見ながら考えます。
手足が冷えているのか。
温めると少し楽になるのか。
反対に、熱を持つような感覚があるのか。
刺すような痛みがあるのか。
夜になると症状が強くなるのか。
足腰の力が弱っていないか。
食欲はあるのか。
眠れているのか。
便通はどうか。
治療によって体力が大きく低下していないか。
こうしたことを丁寧に伺います。
漢方では、体を支える力の低下、血や水分の巡り、冷えなど、さまざまな角度から体の状態を考えます。
同じ「指先がしびれる」という訴えでも、患者さんの年齢、体力、冷えの程度、痛みの性質、治療歴などによって、漢方での考え方は異なります。
症状の名前だけでなく、「その症状を抱えている人全体を見る」。 これが、私たちが大切にしている漢方相談です。
冷えとしびれの関係も丁寧に見ていきます
手足のしびれを訴える患者さんの中には、冷えを強く感じている方もいらっしゃいます。
「治療を始めてから、以前より手足が冷たくなった。」
「冬になるとしびれが強く感じる。」
「お風呂に入ると少し楽に感じる。」
このようなお話を伺うことがあります。
一方で、抗がん剤の種類によっては、冷たいものに触れたときにしびれや痛みが誘発されることがあります。
そのため、「しびれには温めればよい」「冷やせばよい」と一律に考えることはできません。
使用している抗がん剤や症状の特徴を確認し、主治医から受けている注意事項を守ることが大切です。
漢方相談でも、冷えがあるという一つの情報だけで判断せず、全身の状態を見ながら考えていきます。
日常生活の中で、けがや転倒を防ぐことも大切です
感覚が鈍くなっていると、思わぬけがにつながることがあります。
熱いものに触れても温度が分かりにくく、やけどをしてしまう。
包丁を使っていて、指を傷つけてしまう。
足の裏の感覚が鈍く、傷ができても気づきにくい。
足に力が入りにくく、段差でつまずいてしまう。
このようなことを防ぐためにも、日常生活では少し慎重になることが大切です。
特に、入浴時のお湯の温度、調理中の刃物や熱い鍋の扱い、室内の段差や足元の整理などには注意しましょう。 「今まで普通にできていたから大丈夫」と思わず、しびれがある間は、自分の感覚の変化に合わせて生活環境を整えることも大切です。
しびれの変化を記録してみましょう
しびれは、患者さん自身にしか分からない感覚です。
そのため、治療の前後でどのように変化しているのかを簡単に記録しておくことも役立ちます。
例えば、
治療後何日目からしびれが強くなったか。
手と足のどちらが強いか。
どの指から始まったか。
眠れないほど痛むことがあるか。
ボタンを留められるか。
箸を使えるか。
物を落とすことが増えたか。
歩きにくさや、つまずきが増えていないか。
こうした日常生活の変化は、症状の程度を伝える大切な情報になります。 「しびれがあります」だけではなく、「小銭がつまみにくくなりました」「最近、階段を下りるのが怖くなりました」と具体的に伝えることで、主治医や医療スタッフにも状態が伝わりやすくなります。
しびれが強くなったときは、早めに主治医へ相談してください
しびれが急に強くなった場合。
手足に力が入りにくくなった場合。
物を頻繁に落とすようになった場合。
歩きにくくなったり、転びそうになったりする場合。
日常生活に支障が出てきた場合。
こうした変化があるときには、我慢せず、早めに主治医や医療スタッフへ相談してください。
また、しびれの原因は抗がん剤だけとは限りません。
糖尿病、栄養状態、脊椎や神経の病気など、別の原因が関係することもあります。 「抗がん剤を受けているから、すべて副作用だろう」と自己判断せず、必要な診察を受けることが大切です。
抗がん剤治療中でも漢方薬は飲めますか?
抗がん剤治療中に漢方薬を併用できる場合はあります。
しかし、治療中であれば誰でも同じ漢方薬を飲めるわけではありません。
抗がん剤の種類。
治療のスケジュール。
現在服用している薬。
肝臓や腎臓の状態。
食欲や体力。
冷えや睡眠、便通などの全身状態。
こうしたことを確認したうえで、慎重に考える必要があります。
自己判断で漢方薬や健康食品、サプリメントを追加するのではなく、現在の治療内容を伝えたうえで相談することが大切です。 大阪の当薬局では、お薬手帳や治療内容が分かる資料などを確認し、安全性に配慮しながら、一人ひとりの状態に合わせて漢方をご提案しています。
「また自分の手で、普通の生活をしたい」――その願いに寄り添います
ある人にとって、手は仕事をするための大切なものです。
ある人にとっては、料理を作るための手です。
孫の手を握るための手かもしれません。
好きな楽器を演奏するための手かもしれません。
足も同じです。
自分の足で買い物に行く。
近所を散歩する。
家族と旅行に出かける。
そうした日常の中に、その人らしい人生があります。
だからこそ、私たちは手足のしびれを、単なる一つの症状としてだけでは考えません。
「抗がん剤治療は続けたい。でも、これ以上しびれが強くなるのが怖い。」
「治療が終わった後も、このまま残るのではないかと心配です。」
「以前のように、自分の手で料理をしたい。」
「もう一度、安心して散歩を楽しみたい。」
そのようなお気持ちがありましたら、一人で抱え込まずにご相談ください。
大阪の当薬局では、現在の治療状況、しびれの始まった時期、症状の場所や程度、冷えや痛みの有無、食欲、睡眠、便通、体力の状態などを丁寧に伺います。
そして、病院での治療を大切にしながら、その方の体全体を漢方の視点から見つめ、できることを一緒に考えていきます。
漢方にできることには限界があります。
だからこそ、できることとできないことを正直にお伝えすることも、私たちの大切な役割だと考えています。
治療を受ける毎日の中でも、自分の手で好きなことができること。
自分の足で行きたい場所へ行けること。
そして、その方らしい生活を少しでも長く大切にできること。
そのために漢方がお手伝いできることを、患者さんと一緒に考えてまいります。
抗がん剤による手足のしびれや痛み、冷え、歩きにくさなどでお困りの方、ご家族の症状を心配されている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
「しびれがあります」という一言だけではなく、そのしびれによって何に困っているのか。 私たちは、そこまでじっくり伺うことから漢方相談を始めます。
抗がん剤による吐き気でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える吐き気・嘔吐と漢方
「また、あの吐き気が来るのではないか」――治療の前から不安になる方へ
- 「抗がん剤を受けた後、何日も胃がむかむかする。」
- 「吐くほどではないけれど、一日中気持ちが悪い。」
- 「食事のにおいを嗅ぐだけで吐き気がする。」
- 「治療の日が近づくだけで、気分が悪くなるようになった。」
- 「吐き気止めを飲んでいるけれど、食欲が戻らない。」
大阪の当薬局で、がん治療中の患者さんからご相談を受ける症状の一つが、抗がん剤治療に伴う吐き気や胃のむかつきです。
吐き気は、単に「吐くか、吐かないか」だけではありません。
実際には吐いていなくても、朝から晩まで胃がむかむかしている。
食べ物を見ると気持ちが悪くなる。
料理のにおいを受け付けなくなる。
空腹なのに、食べようとすると吐き気がする。
こうした状態が何日も続けば、食事が取れなくなり、体力だけでなく気力まで失われていくことがあります。
そして、一度つらい吐き気を経験すると、
「次の治療でも、また同じように苦しくなるのではないか。」
という不安を抱える方もいらっしゃいます。
治療を受ける前から緊張し、病院へ向かう途中で気分が悪くなる。
病院のにおいや治療室を思い出すだけで吐き気を感じる。
吐き気には、体への影響だけでなく、治療への不安や過去のつらい経験が関係することもあります。
私たちは、「吐いていないから大丈夫」とは考えません。 その方がどのようなつらさを感じているのかを、丁寧に伺うところから漢方相談を始めます。
抗がん剤による吐き気・嘔吐は、なぜ起こるのでしょうか
抗がん剤による吐き気や嘔吐の起こり方は、使用する薬の種類や組み合わせ、治療のスケジュールなどによって異なります。
治療を受けてから比較的早い時期に起こる方もいれば、時間がたってから症状が現れる方もいます。
また、以前の治療で強い吐き気を経験したことで、次の治療を受ける前から吐き気を感じる方もいます。
現在では、吐き気止めである制吐薬が進歩し、抗がん剤の種類や吐き気の起こりやすさに応じて、予防的に使用されるようになっています。
それでも、すべての患者さんの吐き気が完全になくなるわけではありません。
「吐き気止めを飲んでいるから、我慢しなければならない。」
そう考える必要はありません。
吐き気が続いていること、食事が取れないこと、水分が飲みにくいことは、主治医や医療スタッフに伝えることが大切です。
制吐薬の使い方や種類について、医療者と相談できる場合もあります。
また、吐き気の原因は抗がん剤だけとは限りません。 便秘、痛み、感染症、他の薬の影響などが関係している場合もあるため、症状が強いときや長く続くときには、原因を確認することが大切です。
漢方では「吐き気」という一つの症状だけを見ません
「抗がん剤の吐き気には、この漢方薬。」
私たちは、そのような一律の考え方はしていません。
同じ「気持ちが悪い」という訴えでも、その状態は一人ひとり違うからです。
胃がむかむかして食べられない方。
胃がもたれ、食べ物がいつまでも残っているように感じる方。
お腹が張って苦しい方。
吐き気とともにめまいやふらつきを感じる方。
口が渇いて水を欲しがる方。
反対に、水分を取ると胃の中がぽちゃぽちゃして気持ちが悪くなる方。
手足が冷え、温かいものの方が楽に感じる方。
不安や緊張が強くなると、吐き気も悪化する方。
漢方相談では、こうした違いを丁寧に伺います。
食欲、便通、口の渇き、尿の状態、冷え、睡眠、疲労の程度なども確認し、体全体から吐き気の背景を考えていきます。 「吐き気を止める」という一方向だけではなく、胃腸の働き、体内の水分バランス、冷えや体力の低下、精神的な緊張など、その方の状態に応じて考えることが漢方の特徴です。
「胃腸が弱っている」のか、「水分の巡りが乱れている」のか
漢方では、吐き気の背景をさまざまな角度から考えます。
例えば、抗がん剤治療や食事量の低下によって胃腸の働きが弱り、少し食べただけでも胃がもたれ、食欲がなくなっている方がいます。
一方で、胃の中に水がたまったような感じがあり、水分を取ると気持ちが悪くなる方もいます。
また、冷えが強く、温かい飲み物の方が受け入れやすい方もいれば、口の渇きや熱っぽさを感じる方もいます。
精神的な緊張が強く、
「次の治療が怖い。」
「また吐くのではないか。」
という不安が胃腸の働きに影響していると考えられる場合もあります。
同じ吐き気でも、体の状態は同じではありません。 だからこそ、患者さんのお話を詳しく伺い、その方に合った方法を考えることが大切です。
吐き気と食欲不振は、悪循環になることがあります
吐き気が続くと、食べることが怖くなる場合があります。
食べる。
気持ちが悪くなる。
吐く。
その経験を繰り返すと、
「また吐くかもしれないから、食べたくない。」
と思うようになることがあります。
すると食事量が減り、体力が低下し、さらに倦怠感が強くなる。
体力が落ちることで、日常生活の活動量も減っていく。
このように、吐き気、食欲不振、体力低下、倦怠感は、それぞれ別々の問題ではなく、互いに影響し合うことがあります。
そのため漢方相談では、
「吐き気はありますか。」
だけではなく、
「一日にどのくらい食べられていますか。」
「体重は減っていませんか。」
「水分は取れていますか。」
「便秘はありませんか。」
「夜は眠れていますか。」
「治療の何日後が一番つらいですか。」
といったことも詳しく伺います。 症状の一つだけを見るのではなく、患者さんの生活全体を見ることが大切だと考えています。
吐き気があるときの食事は、「食べられるものを、食べられるときに」
吐き気があるときに、「栄養のある食事を三食きちんと食べなければ」と考えることが負担になる場合があります。
一度にたくさん食べることが難しい場合は、少量ずつ回数を分ける方法もあります。
温かい料理のにおいで気分が悪くなる方は、少し冷ましてから食べる方が楽なこともあります。
空腹になると吐き気が強くなる方もいれば、食後に悪化する方もいます。
大切なのは、すべての患者さんに同じ食べ方を勧めることではありません。
「今の自分は、いつなら食べやすいのか。」
「何なら口にできるのか。」
「どのくらいの量なら負担にならないのか。」
自分の体の反応を見ながら、無理の少ない方法を探すことが大切です。
また、主治医や看護師、管理栄養士などに相談することも大切です。
食べることを「頑張らなければならない仕事」にしないこと。
私たちは、そのことも治療中の生活では大切だと考えています。
治療前から気持ちが悪くなる方へ
患者さんの中には、抗がん剤の投与前から吐き気を感じる方がいます。
以前の治療で強い吐き気を経験した記憶と、病院の風景やにおい、治療室の雰囲気などが結びつき、治療前から気分が悪くなることがあります。
このような吐き気も、患者さんにとっては本当につらいものです。
「気のせいだから我慢しなければ」と考える必要はありません。
治療前から吐き気があることや、不安が強いことを主治医や看護師に伝えてください。
医療機関で相談できる方法があります。
漢方相談でも、胃腸の症状だけでなく、睡眠、不安、緊張、治療前後の体調の変化などを伺います。 心と体を切り離さず、その方全体を見ることを大切にしています。
水分も取れないときは、早めに医療機関へ相談してください
吐き気や嘔吐が続き、水分が十分に取れない場合には注意が必要です。
- 何度も吐いてしまう。
- 水やお茶も飲めない。
- 尿の量が明らかに減っている。
- 立ち上がると強くふらつく。
- ぐったりして動けない。
- 強い腹痛がある。
このような場合には、漢方だけで様子を見ようとせず、治療を受けている医療機関へ相談してください。
脱水や電解質の異常など、医学的な処置が必要になる場合があります。
また、治療を受けている医療機関から、吐き気や嘔吐が起きた場合の連絡方法について指示を受けている場合は、その指示に従ってください。
漢方相談は、病院での診察や治療に代わるものではありません。
必要な医療を受けながら、その方の体調や日常生活をどのように支えていくのか。 私たちは、そのことを患者さんと一緒に考えていきます
抗がん剤治療中でも漢方薬は飲めますか?
抗がん剤治療中に漢方薬を併用できる場合はあります。
しかし、すべての方が同じように併用できるわけではありません。
使用している抗がん剤。
治療のスケジュール。
吐き気止めなどの処方薬。
肝臓や腎臓の状態。
食事や水分の摂取状況。
便通や体力の状態。
こうしたことを確認したうえで、慎重に考える必要があります。
自己判断で漢方薬や健康食品、サプリメントなどを追加するのではなく、現在受けている治療や服用中のお薬を伝えたうえで相談することが大切です。 大阪の当薬局では、お薬手帳や治療内容が分かる資料などを確認し、安全性に配慮しながら、一人ひとりの状態に合わせて漢方をご提案しています。
「次の治療が怖い」――その言葉も、どうぞお話しください
抗がん剤による吐き気は、体だけを苦しめるものではありません。
一度つらい経験をすると、次の治療日が近づくだけで心が重くなることがあります。
カレンダーを見る。
病院へ行く準備をする。
電車に乗る。
病院の建物が見える。
その一つひとつが、以前の吐き気を思い出させることもあります。
「治療は続けたい。でも、またあの苦しさを経験するのが怖い。」
その気持ちを、一人で抱え込む必要はありません。
大阪の当薬局では、吐き気が起こる時期、治療後何日間続くのか、食事や水分はどのくらい取れているのか、便通、睡眠、冷え、倦怠感、不安の程度などを丁寧に伺います。
そして、病院での治療や制吐薬による副作用対策を大切にしながら、漢方の視点から体全体を見つめ、その方にできることを一緒に考えていきます。
漢方にできることには限界があります。
だからこそ、できることとできないことを正直にお伝えし、必要なときには主治医への相談をおすすめすることも、私たちの大切な役割だと考えています。
治療を受ける日も、その後の回復を待つ日も、患者さんにとっては人生の大切な一日です。
少しでも穏やかに食事ができること。
水分を安心して取れること。
家族と食卓を囲めること。
そして、次の治療に向かう心と体を支えること。
そのために漢方がお手伝いできることを、患者さんと一緒に考えてまいります。
抗がん剤による吐き気、嘔吐、胃のむかつき、食欲不振でお困りの方、治療前から吐き気を感じるほど不安を抱えている方は、どうぞご相談ください。
「吐いてはいないけれど、ずっと気持ちが悪い。」 そのつらさも、私たちは大切な症状として受け止めるところから漢方相談を始めます。
抗がん剤による味覚障害でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える味覚の変化と漢方
「何を食べても、おいしくない」――そのつらさを我慢していませんか
- 「何を食べても味がしない。」
- 「口の中に、いつも金属のような味がする。」
- 「ご飯を食べても苦く感じる。」
- 「以前は大好きだった料理なのに、今はおいしいと思えない。」
- 「家族が一生懸命作ってくれた食事を残すのが申し訳ない。」
大阪の当薬局で、がん治療中の患者さんからご相談を受ける症状の一つが、抗がん剤治療に伴う味覚障害です。
食欲はある。
お腹も空いている。
「今日は食べられそうだ」と思って食卓につく。
ところが、一口食べると、以前とはまったく違う味がする。
何を食べても苦い。
塩味が分からない。
甘いものだけが強く感じられる。
口の中に何も入っていないのに、金属のような嫌な味が続いている。
患者さんにとって、それは大きな戸惑いです。
食べることは、単に栄養を取るためだけの行為ではありません。
「おいしい」と感じること。
家族と同じ食卓を囲むこと。
季節の料理を楽しむこと。
好きなものを食べて、少し幸せな気持ちになること。
食事には、その人の人生や思い出、家族との時間が詰まっています。
だからこそ、味が分からなくなることは、患者さんが思っている以上に心にも大きな負担を与えることがあります。
私たちは、「味が分からないくらいなら我慢できる」とは考えません。
その方が、食事の時間に何を感じ、何に困っているのか。 そこまで丁寧に伺うことから漢方相談を始めます。
抗がん剤治療中の味覚障害とは
抗がん剤などのがん治療に伴って、味の感じ方が変化することがあります。
症状の現れ方は一人ひとり違います。
味が薄く感じる。
ほとんど味が分からない。
何を食べても苦く感じる。
金属をなめているような味がする。
甘味だけを強く感じる。
塩味が分かりにくい。
以前とはまったく違う味に感じる。
砂をかんでいるように感じる。
また、味覚だけでなく、においの感じ方が変化することもあります。
今まで好きだった料理のにおいが不快に感じられたり、調理中のにおいで気分が悪くなったりする方もいます。
味覚の変化は、舌にある味を感じる細胞への影響、唾液の分泌低下による口腔内の乾燥、口内炎や口腔内の感染など、さまざまな要因が関係することがあります。
また、体内の亜鉛や鉄などの状態が関係している場合もあります。 そのため、「抗がん剤の副作用だから仕方がない」と自己判断せず、味覚の変化についても主治医や医療スタッフに伝えることが大切です。
味覚障害は、食欲不振や体力低下につながることがあります
味覚障害は、それだけで終わらないことがあります
- 食べてもおいしくない。
- 食事が楽しくない。
- 食べる量が減る。
- 体重が減る。
- 体力が低下する。
- 倦怠感が強くなる。
このような悪循環につながることがあります。
患者さんご本人は、
「味が分からないだけだから。」
「もっとつらい副作用がある人もいるから。」
と我慢してしまうことがあります。
しかし、毎日の食事量が減り、体重が落ちているのであれば、体を支えるうえでも大切な問題です。
漢方相談では、味覚の状態だけではなく、
一日にどのくらい食べられているのか。
体重は減っていないか。
吐き気はないか。
口内炎はないか。
口の中が乾いていないか。
便秘や下痢はないか。
倦怠感が強くなっていないか。
といったことも詳しく伺います。
体の症状は、一つひとつが別々に存在しているとは限りません。
味覚障害、食欲不振、体力低下、倦怠感などが互いに影響し合っていることもあります。 だからこそ、体全体を見ることが大切です。
漢方では「味覚障害」という病名だけで考えません
「抗がん剤による味覚障害には、この漢方薬。」
私たちは、そのような一律の考え方はしていません。
同じ味覚障害でも、その方の体の状態は一人ひとり違うからです。
口が乾燥し、舌も乾いている方。
口内炎を伴い、食べ物がしみる方。
食欲そのものが低下している方。
胃がもたれ、少ししか食べられない方。
強い倦怠感があり、食事をすること自体が疲れる方。
手足が冷え、体全体の力が低下している方。
治療への不安や緊張が続き、夜も十分に眠れていない方。
漢方相談では、味覚だけを見るのではなく、食欲、胃腸の働き、口の乾燥、便通、睡眠、冷え、疲れ方などを丁寧に伺います。
漢方では、口や舌の状態も、体全体の状態と切り離さずに考えます。
胃腸の働きが弱っているのか。
体力が大きく低下しているのか。
体の潤いが不足している状態なのか。
血や水分の巡りが乱れているのか。 その方の状態を総合的に考えながら、漢方をご提案していきます。
味の感じ方は人によって違います――「今、食べやすい味」を探しましょう
味覚障害があるとき、「味を濃くすれば食べられる」とは限りません。
味を感じにくい方もいれば、反対に、特定の味を強く感じる方もいるからです。
塩味を感じにくい方。
醤油や塩を苦く感じる方。
何でも甘く感じる方。
口の中に苦味が残る方。
一人ひとり、食べやすい味は異なります。
そのため、以前の味付けに無理に合わせるのではなく、「今の自分には、どんな味なら食べやすいのか」を探してみることが大切です。
例えば、塩や醤油が苦く感じる方では、だしや香り、酸味などを利用することで食べやすく感じる場合があります。
料理のにおいがつらい方では、温かい料理を少し冷ましてから食べると、においが気になりにくくなることもあります。
ただし、口内炎がある方では、酸味や香辛料などの刺激が痛みにつながることがあります。
また、腎臓病や高血圧などで食事制限を受けている方は、自己判断で塩分などを大きく変えず、主治医や管理栄養士に相談してください。
大切なのは、「体によいものを無理に食べる」ことだけではありません。
今、何なら食べられるのか。
何なら少しおいしいと感じられるのか。 患者さん自身の感覚を大切にすることです。
口の中を清潔に保ち、乾燥にも気をつけましょう
味覚の変化があるときは、口の中の状態にも目を向けることが大切です。
口の中が乾燥している。
舌や歯に汚れがたまっている。
口内炎がある。
口の中に感染症が起きている。
こうした状態が味覚の変化に関係している場合があります。
無理のない範囲で歯や舌を清潔に保ち、こまめなうがいなどで口の中を清潔にすることも大切です。
ただし、口内炎が強い場合や、歯肉から出血しやすい場合などは、治療状況によって注意が必要なことがあります。
口腔ケアの方法について、主治医、看護師、歯科医師、歯科衛生士などに相談してください。
また、口の乾燥が強い場合にも、我慢せず医療スタッフへ伝えましょう。 味覚障害の背景に何があるのかを確認することが大切です。
亜鉛のサプリメントを自己判断で飲んでもよいですか?
味覚障害について調べていると、「亜鉛」という言葉を目にする方も多いと思います。
確かに、体内の亜鉛の状態が味覚の変化に関係している場合があります。
しかし、味覚障害の原因がすべて亜鉛不足とは限りません。
また、がん治療中は、抗がん剤だけでなく、さまざまな薬を使用していることがあります。
そのため、
「味が分からないから、とりあえず亜鉛のサプリメントを飲んでみよう。」
と自己判断で始めるのではなく、まず主治医や薬剤師に相談することをおすすめします。
必要に応じて、医療機関で原因を調べたり、適切な対応を受けたりすることが大切です。
漢方薬や健康食品、サプリメントも、「自然のものだから何でも安全」というわけではありません。
現在の治療内容や服用している薬を確認したうえで考える必要があります。
抗がん剤治療中でも漢方薬は飲めますか?
抗がん剤治療中に漢方薬を併用できる場合はあります。
しかし、すべての方が同じように併用できるわけではありません。
使用している抗がん剤。
治療のスケジュール。
その他に服用している薬。
肝臓や腎臓の状態。
食欲や体重の変化。
口の乾燥や口内炎の有無。
便通や睡眠。
体力の状態。
こうしたことを確認したうえで、その方に合った方法を慎重に考える必要があります。
大阪の当薬局では、お薬手帳や治療内容が分かる資料などを確認し、安全性に配慮しながら、一人ひとりの状態に合わせた漢方相談を行っています。 味覚障害だけを見るのではなく、その方の体全体が今どのような状態なのかを丁寧に考えることを大切にしています。
「もう一度、おいしいと思って食べたい」――その願いを大切にします
食事の記憶には、人生の記憶が重なっています。
子どもの頃に食べた料理。
家族で囲んだ鍋。
旅行先で出会った味。
季節になると楽しみにしていた食べ物。
大切な人と一緒に食べた食事。
「おいしい」という感覚は、単なる舌の感覚ではありません。
そこには、その人が生きてきた時間があります。
だからこそ、味覚が変わってしまったときの患者さんの悲しさを、私たちは軽く考えたくありません。
「お腹は空くのに、何を食べてもおいしくない。」
「家族が作ってくれた料理を残すのが申し訳ない。」
「食事の時間が楽しみではなくなってしまった。」
「もう一度、以前のようにおいしいと思って食べたい。」
そのようなお悩みがありましたら、一人で抱え込まずにご相談ください。
大阪の当薬局では、味覚がどのように変化したのか、治療後のどの時期に強くなるのか、食欲や体重の変化、口の乾燥、口内炎、吐き気、便通、睡眠、冷え、倦怠感などを丁寧に伺います。
そして、病院での治療を大切にしながら、漢方の視点から体全体を見つめ、その方にできることを一緒に考えていきます。
漢方にできることには限界があります。
だからこそ、できることとできないことを正直にお伝えし、必要なときには主治医や医療スタッフへの相談をおすすめすることも、私たちの大切な役割です。
治療を受ける毎日の中で、一口の食事を「おいしい」と感じられること。
家族と同じ食卓を囲めること。
季節の味を楽しめること。
そして、食べることが少しでも体と心を支える時間になること。
そのために漢方がお手伝いできることを、患者さんと一緒に考えてまいります。
抗がん剤による味覚障害、口の中の苦味や金属味、食欲不振などでお困りの方、ご家族の食事量や体重減少を心配されている方は、どうぞご相談ください。
「食べられない」のではなく、「おいしいと感じられないから、食べることがつらい」。
私たちは、その言葉になりにくいつらさを伺うところから、漢方相談を始めます。
抗がん剤による口内炎でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える口の痛みと漢方
「食べたいのに、痛くて食べられない」――そのつらさを我慢していませんか
「口の中が痛くて、ご飯が食べられない。」
「水を飲むだけでもしみる。」
「舌が痛くて、話をするのもつらい。」
「口の中が乾いて、夜中に何度も目が覚める。」
「お腹は空いているのに、口内炎が痛くて食べることができない。」
大阪の当薬局で、がん治療中の患者さんからご相談を受ける症状の一つが、抗がん剤治療に伴う口内炎です。
口内炎というと、健康なときに時々できる小さな口内炎を想像されるかもしれません。
しかし、がん治療中に起こる口内炎は、患者さんによっては口の中の広い範囲に炎症が起こり、強い痛みを伴うことがあります。
食べると痛い。
飲み込むと痛い。
歯磨きもつらい。
話すことさえ苦痛になる。
夜も痛みで眠れない。
毎日当たり前にしていたことが、一つずつ苦痛に変わってしまうことがあります。
患者さんの中には、
「がんの治療なのだから、このくらい我慢しなければ。」
と思ってしまう方もいらっしゃいます。
しかし、口内炎は食事量の低下や水分不足につながることがあり、体力や生活の質にも影響します。
私たちは、口内炎を「小さな副作用」とは考えません。
口の中の痛みだけを見るのではなく、その痛みによって患者さんの生活の何が困難になっているのか。 そこまで丁寧に伺うことから漢方相談を始めます。
抗がん剤治療中に口内炎が起こるのはなぜでしょうか
私たちの口の中は、粘膜によって覆われています。
口の粘膜は細胞の入れ替わりが比較的活発なため、使用する薬剤によっては、がん治療の影響を受けて炎症や傷が起こることがあります。
また、治療の影響で唾液が減り、口の中が乾燥することがあります。
唾液には、食べ物を飲み込みやすくするだけではなく、口の中を清潔に保つ働きもあります。
そのため、口の中が乾燥すると、粘膜が傷つきやすくなったり、細菌や真菌などが増えやすくなったりすることがあります。
さらに、治療によって白血球、特に好中球が減少している時期には、感染症にも注意が必要です。
つまり、治療中の口の痛みが、すべて同じ原因で起きているとは限りません。
粘膜そのものの炎症なのか。
乾燥が強いのか。
感染が関係していないか。
治療による血液の変化はどうか。
こうしたことを確認する必要があります。 そのため、強い痛みがある場合や症状が広がっている場合には、自己判断で市販薬だけを使用するのではなく、主治医や医療スタッフに相談することが大切です。
口内炎は、食欲不振や体力低下につながることがあります
口内炎の患者さんのお話を伺っていると、
「食欲はあるんです。でも痛くて食べられません。」
と言われることがあります。
これは、食欲そのものが低下している状態とは少し違います。
お腹は空いている。
料理も食べたい。
けれど、一口食べると痛い。
噛むと痛い。
飲み込むと痛い。
そのため、少しずつ食事の量が減っていきます。
食べられない。
体重が減る。
体力が落ちる。
倦怠感が強くなる。
回復に時間がかかる。
このような悪循環につながることがあります。
また、水分を飲むことさえ痛くなると、水分不足にも注意が必要です。
漢方相談では、
どのくらい食事が取れているのか。
水分は飲めているのか。
体重は減っていないか。
味覚に変化はないか。
口が乾燥していないか。
吐き気や下痢はないか。
倦怠感は強くなっていないか。
といったことも詳しく伺います。 口内炎だけを見るのではなく、その症状が体全体にどのような影響を与えているのかを見ることが大切だからです。
漢方では「口内炎」という症状だけで考えません
「抗がん剤による口内炎には、この漢方薬。」
私たちは、そのような一律の考え方はしていません。
同じ口内炎でも、患者さんの状態は一人ひとり違います。
口の中が赤く腫れて、熱を持ったように痛む方。
口が乾燥し、舌も乾いている方。
口内炎とともに強い倦怠感がある方。
食欲が低下し、体重も減っている方。
下痢が続き、体力が落ちている方。
眠れず、心身ともに疲れている方。
漢方相談では、口の中だけではなく、食欲、胃腸の働き、口の乾燥、便通、睡眠、冷え、疲れ方などを丁寧に伺います。
漢方では、口や舌の状態も体全体と切り離さずに考えます。
体力が大きく低下しているのか。
胃腸の働きが弱っているのか。
体を潤す働きが不足している状態なのか。
熱がこもったような状態があるのか。 その方の全身状態を考えながら、漢方をご提案していきます。
口の中を清潔に保つことが大切です
がん治療中の口内炎では、口の中をできるだけ清潔に保つことが大切です。
ただし、痛みがあるときに無理に強く磨く必要はありません。
歯ブラシは、その方の口の状態に合わせて、刺激の少ないものを選ぶことも一つの方法です。
強くこすらず、できる範囲でやさしく丁寧に磨きます。
うがいなどによって口の中を清潔に保ち、乾燥を防ぐことも大切です。
ただし、治療内容や口内炎の程度、血小板や白血球の状態などによって、適切な口腔ケアの方法が異なることがあります。
主治医、看護師、歯科医師、歯科衛生士などに、自分に合った口腔ケアの方法を相談してください。
口腔ケアは、単に歯をきれいにするためだけのものではありません。
食べること。
話すこと。
眠ること。
そして、治療中の生活を少しでも穏やかに過ごすこと。 そのための大切なケアの一つです。
口内炎があるときの食事は、「痛くないこと」を大切に
口内炎があるとき、
「栄養のために、何でも食べなければ。」
と無理をしてしまう方がいらっしゃいます。
しかし、痛みを我慢しながら食事を続けることは、大きな苦痛になります。
熱すぎるもの。
辛いもの。
酸味の強いもの。
硬いもの。
パサパサしたもの。
このような食品が刺激になる方もいます。
反対に、やわらかく調理したもの、口当たりがなめらかなもの、温度を調整したものなどが食べやすい場合があります。
ただし、どの温度や味が楽かは、その方の症状によって違います。
大切なのは、
「体によいから食べなければならない。」
と考えることだけではなく、
「今の口の状態で、何なら痛みが少なく食べられるのか。」
を探すことです。
食事が難しい場合には、主治医や看護師、管理栄養士などに相談してください。 食事の形や栄養の取り方について、患者さんの状態に合わせた方法を一緒に考えてもらうことができます。
痛みを我慢しすぎないでください
口内炎の痛みについて、
「治療のためだから仕方がない。」
「痛み止めをお願いするほどではない。」
と我慢する方がいらっしゃいます。
しかし、痛みのために食事が取れない。
水分が飲めない。
眠れない。
会話がつらい。
このような状態であれば、我慢せず主治医や医療スタッフへ相談してください。
口内炎の状態に応じて、口の中に使用する薬や、痛みを和らげるための治療などが検討されることがあります。
漢方だけで痛みを我慢する必要はありません。
病院で受けられる適切な治療と口腔ケアを大切にしながら、その方の体全体をどのように支えることができるのか。 私たちは、そのことを一緒に考えていきます。
発熱や強い痛みがあるときは、早めに医療機関へ相談してください
がん治療中は、免疫を担う白血球が減少することがあります。
その時期に口の中に傷や炎症があると、感染症への注意が必要な場合があります。
発熱がある。
口内炎が急に悪化した。
口の中に白い苔のようなものが広がっている。
強い痛みがある。
水分も取れない。
飲み込むことが難しい。
ぐったりしている。
このような症状がある場合には、漢方だけで様子を見ようとせず、治療を受けている医療機関へ相談してください。
また、医療機関から発熱時の連絡方法などについて指示を受けている場合には、その指示に従ってください。
必要な医療を受けることが最優先です。
漢方相談は、病院での診察や治療に代わるものではありません。
抗がん剤治療中でも漢方薬は飲めますか?
抗がん剤治療中に漢方薬を併用できる場合はあります。
しかし、すべての方が同じように併用できるわけではありません。
使用している抗がん剤。
治療のスケジュール。
その他に服用している薬。
肝臓や腎臓の状態。
白血球など血液検査の状態。
食事や水分の摂取状況。
口の乾燥や味覚障害の有無。
体力の状態。
こうしたことを確認したうえで、その方に合った方法を慎重に考える必要があります。
「自然のものだから大丈夫だろう」と自己判断で漢方薬や健康食品、サプリメントを追加することはおすすめできません。 大阪の当薬局では、お薬手帳や治療内容が分かる資料などを確認し、安全性に配慮しながら、一人ひとりの状態に合わせた漢方相談を行っています。
「もう一度、痛みを気にせず食べたい」――その願いを大切にします
食べることは、体を支えるためだけのものではありません。
家族と食卓を囲む。
好きな料理を味わう。
温かいお茶をゆっくり飲む。
友人と話をしながら食事をする。
そうした何気ない時間の中に、その人らしい生活があります。
口内炎がひどくなると、その当たり前の時間が苦痛に変わってしまいます。
「お腹は空いているのに、食べられない。」
「水を飲むだけでも痛い。」
「家族と同じものを食べたい。」
「もう一度、痛みを気にせず食事を楽しみたい。」
そのようなお悩みがありましたら、一人で抱え込まずにご相談ください。
大阪の当薬局では、口内炎が始まった時期、痛みの程度、食事や水分の摂取状況、口の乾燥、味覚の変化、食欲、体重、便通、睡眠、冷え、倦怠感などを丁寧に伺います。
そして、病院での治療や口腔ケアを大切にしながら、漢方の視点から体全体を見つめ、その方にできることを一緒に考えていきます。
漢方にできることには限界があります。
だからこそ、できることとできないことを正直にお伝えし、必要なときには主治医や歯科医師などへの相談をおすすめすることも、私たちの大切な役割だと考えています。
治療を受ける毎日の中で、痛みを気にせず水を飲めること。
一口の食事を穏やかに味わえること。
家族と会話をしながら食卓を囲めること。
そして、食べることが体力だけでなく、心を支える時間になること。
そのために漢方がお手伝いできることを、患者さんと一緒に考えてまいります。
抗がん剤による口内炎、口の中の痛みや乾燥、食欲不振、味覚の変化などでお困りの方、ご家族が食事や水分を取れず心配されている方は、どうぞご相談ください。
「口の中が痛い」という一言の奥にある、食べられないつらさ、眠れないつらさ、話すことさえ苦痛になるつらさ。
私たちは、そこまでじっくり伺うことから漢方相談を始めます。
抗がん剤による下痢でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える下痢と漢方
「またトイレに行かなければならない」――外出することさえ不安になる方へ
「抗がん剤治療が始まってから、下痢が続いている。」
「一日に何度もトイレに行き、体力が奪われていく。」
「食べるとすぐにお腹が痛くなるので、食事をするのが怖い。」
「いつ便意が起こるか分からず、外出できなくなった。」
「夜中にも何度もトイレに行き、眠ることができない。」
大阪の当薬局で、がん治療中の患者さんから伺うお悩みの一つが、抗がん剤治療中の下痢です。
下痢というと、一般には一時的なお腹の不調と思われるかもしれません。
しかし、がん治療中に何度も下痢が続くことは、患者さんにとって大きな負担です。
水分が失われる。
体力が落ちる。
食べることが怖くなる。
夜も眠れない。
外出することが不安になる。
「もし途中でトイレに行きたくなったら」と考えると、散歩や買い物さえ控えるようになってしまう方もいらっしゃいます。
私たちは、下痢を単に「便が軟らかい」という症状だけでは考えません。
その症状によって、患者さんの体力や食事、睡眠、そして生活そのものがどのような影響を受けているのか。 そこまで丁寧に伺うことから、漢方相談を始めます。
抗がん剤治療中の下痢には、さまざまな原因があります
がん治療中の下痢が、すべて同じ原因で起こるわけではありません。
抗がん剤などの薬物療法の影響。
放射線治療の影響。
感染症。
手術後の腸の変化。
その他の薬の影響。
食事内容の変化。
さまざまな原因が考えられます。
また、薬物療法による下痢でも、治療後比較的早く現れるものと、数日たってから現れるものがあります。
そのため、
「抗がん剤を受けているから、下痢は仕方がない。」
と自己判断することはおすすめできません。
いつから始まったのか。
一日に何回くらいなのか。
水のような便なのか。
腹痛はあるのか。
発熱はないか。
血が混じっていないか。
食事や水分は取れているのか。
こうした情報を主治医や医療スタッフへ伝えることが大切です。 治療薬の種類や症状の程度によっては、医療機関での対応が必要になります。
漢方では「下痢」という症状だけで考えません
「抗がん剤による下痢には、この漢方薬。」
私たちは、そのような一律の考え方はしていません。
同じ下痢でも、患者さんの状態は一人ひとり違います。
食べるとすぐに下痢をする方。
朝に何度もトイレへ行く方。
腹痛を伴う方。
お腹が冷えると悪化する方。
下痢とともに強い倦怠感がある方。
口が渇き、水分を欲しがる方。
食欲が低下し、体重も減っている方。
漢方相談では、便の状態だけでなく、腹痛、食欲、口の渇き、尿量、冷え、疲れ方、睡眠なども詳しく伺います。
漢方では、胃腸の働きが弱っているのか、体力が大きく低下しているのか、水分の巡りが乱れているのか、冷えが関係しているのかなど、体全体の状態から考えていきます。 「下痢を止めること」だけを目的にするのではなく、なぜその方の体で下痢が続いているのかを考えることを大切にしています。
下痢と食欲不振、倦怠感は互いに影響することがあります
下痢が続く。
食べることが怖くなる。
食事量が減る。
体力が落ちる。
倦怠感が強くなる。
動けなくなり、さらに食欲が落ちる。
このような悪循環に入ってしまう方がいます。
そのため、漢方相談では下痢だけを切り離して考えません。
一日にどのくらい食べられているのか。
体重は減っていないか。
水分は取れているか。
尿量は減っていないか。
夜は眠れているか。
治療後の何日目に症状が強くなるのか。
こうしたことも詳しく伺います。
患者さんの体の中で、症状は別々に存在しているわけではありません。
腸の状態、食欲、体力、睡眠、気力は互いに影響しています。 だからこそ、体全体を見ることが大切です。
下痢が続くときは、水分不足に注意してください
下痢が続くと、体から水分だけでなく電解質も失われます。
特に、何度も水のような便が出る場合や、食事や水分が十分に取れない場合には、脱水に注意が必要です。
水分を一度に大量に飲むことがつらい場合には、少量ずつ取る方が楽なこともあります。
何をどのくらい飲むのが適切かは、患者さんの病状や腎臓・心臓の状態などによって異なる場合がありますので、主治医や医療スタッフの指示を確認してください。
下痢があるからといって、すべての方が同じ食事制限をする必要があるわけではありません。
食べられるもの、症状を悪化させると感じるものには個人差があります。 治療中の食事について困っている場合には、主治医、看護師、管理栄養士などに相談することも大切です。
下痢止めを自己判断で使ってもよいですか?
下痢が続くと、
「市販の下痢止めを飲んでおこう。」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、がん治療中の下痢にはさまざまな原因があります。
薬物療法によるものなのか。
感染症が関係しているのか。
他の原因があるのか。
原因によって対応が異なる場合があります。
また、治療薬によっては、下痢が起こったときの薬の使い方や医療機関への連絡方法について、あらかじめ指示されていることがあります。
自己判断で対応せず、まず治療を受けている医療機関の指示を確認してください。
漢方薬についても同じです。 「下痢だからこの漢方薬」と自己判断するのではなく、現在の治療内容と全身状態を確認して考えることが大切です。
このような下痢は、早めに医療機関へ相談してください
下痢の回数が多い。
水のような便が続いている。
水分が十分に取れない。
尿量が明らかに減っている。
強い腹痛がある。
発熱がある。
血便がある。
強いふらつきやぐったりした感じがある。
このような場合には、漢方だけで様子を見ず、治療を受けている医療機関へ相談してください。
特にがん治療中は、感染症や脱水などに注意が必要な場合があります。
医療機関から「このような症状が出たら連絡してください」という指示を受けている場合には、その指示を優先してください。 必要な医療を受けることが最も大切です。
抗がん剤治療中でも漢方薬は飲めますか?
抗がん剤治療中に漢方薬を併用できる場合はあります。
しかし、すべての方が同じように併用できるわけではありません。
使用している抗がん剤。
治療のスケジュール。
現在服用している薬。
肝臓や腎臓の状態。
下痢の回数と程度。
食事や水分の摂取状況。
体重や体力の変化。
こうしたことを確認したうえで、慎重に考える必要があります。 大阪の当薬局では、お薬手帳や治療内容が分かる資料を確認し、安全性に配慮しながら、一人ひとりの状態に合わせた漢方相談を行っています。
「安心して外へ出たい」――その願いも大切にします
下痢が続く患者さんにとって、悩みはお腹の中だけにあるわけではありません。
電車に乗ることが怖い。
買い物に行けない。
友人との約束を断ってしまう。
家族との外出を諦める。
「トイレがどこにあるか」をいつも考えている。
そうして、少しずつ生活の範囲が狭くなってしまうことがあります。
私たちは、そのつらさにも目を向けたいと考えています。
「治療は続けたい。でも、下痢で体力が落ちるのが心配。」
「食べると下痢をするので、食事が怖い。」
「もう一度、安心して外出したい。」
そのようなお悩みがありましたら、ご相談ください。
大阪の当薬局では、便の回数や状態だけでなく、症状が起こる時間、腹痛、食欲、水分摂取量、尿量、体重の変化、睡眠、冷え、倦怠感などを丁寧に伺います。
そして、病院での治療を大切にしながら、漢方の視点から体全体を見つめ、その方にできることを一緒に考えていきます。
治療を受ける毎日の中で、安心して食事ができること。
夜に落ち着いて眠れること。
外出を必要以上に怖がらずに済むこと。
そして、その方らしい生活を少しでも大切にできること。
そのために漢方がお手伝いできることを、患者さんと一緒に考えてまいります。
抗がん剤治療中の下痢、腹痛、食欲不振、体力低下などでお困りの方は、どうぞご相談ください。
「何回トイレに行ったか」だけではなく、その下痢によって、あなたが何に困っているのか。 私たちは、そこまでじっくり伺うことから漢方相談を始めます。
抗がん剤治療中の便秘でお困りの方へ|大阪の漢方専門薬局が考える便秘と漢方
「何日も出ない」「お腹が張って食べられない」――便秘を我慢していませんか
「抗がん剤治療が始まってから、便が出にくくなった。」
「何日も出ず、お腹が張って苦しい。」
「便意はあるのに、なかなか出ない。」
「硬い便を出すのがつらい。」
「便秘になると吐き気までして、食事が入らない。」
大阪の当薬局で、がん治療中の患者さんから伺うお悩みの一つが便秘です。
便秘というと、
「数日くらい出なくても大丈夫。」
「治療中だから仕方がない。」
と我慢してしまう方もいらっしゃいます。
しかし、便秘のつらさは、排便がないことだけではありません。
お腹が張る。
食欲がなくなる。
吐き気がする。
眠れない。
トイレに長時間座ることが体力的につらい。
「今日も出ないのではないか」と、一日中お腹のことが気になる。
こうした苦しさが、治療中の生活に大きな負担を与えることがあります。
私たちは、単に「何日に一回便が出るか」だけで便秘を考えません。
患者さんが苦痛なく排便できているか。
排便後にすっきりした感覚があるか。
便秘によって食事や睡眠、生活に影響が出ていないか。 そうしたことまで丁寧に伺うことから、漢方相談を始めます。
がん治療中の便秘には、さまざまな原因があります
がん治療中の便秘が、すべて抗がん剤だけで起こるわけではありません。
がんの治療に使用する薬の影響。
吐き気止めなどの薬の影響。
痛みに対して使用する医療用麻薬の影響。
食事量の低下。
水分不足。
活動量の低下。
長時間横になっていること。
腹部の手術後の影響。
がんそのものによる消化管への影響。
さまざまな原因が考えられます。
そのため、
「便秘だから、とにかく下剤を増やせばよい。」
とは限りません。
どのくらい便が出ていないのか。
便は硬いのか。
便意そのものが少ないのか。
便意はあるのに出せないのか。
お腹の張りや痛みはあるのか。
吐き気や嘔吐はないか。
おならは出ているのか。 こうした違いを確認することが大切です。
漢方では「便秘」という一つの症状だけで考えません
「抗がん剤治療中の便秘には、この漢方薬。」
私たちは、そのような一律の考え方はしていません。
同じ便秘でも、患者さんの状態は一人ひとり違います。
便が硬く、コロコロしている方。
お腹が張り、苦しくて食べられない方。
便意そのものが弱くなっている方。
排便する力が弱り、長時間いきんでも出にくい方。
口が乾燥し、体全体の潤いが不足しているような方。
手足やお腹の冷えが強い方。
食事量そのものが大きく減っている方。
漢方相談では、排便回数だけでなく、便の硬さや形、腹部の張り、痛み、食欲、水分摂取量、尿の状態、冷え、睡眠、体力なども丁寧に伺います。
漢方では、胃腸の働きが弱っているのか、便を送り出す力が低下しているのか、体の潤いが不足している状態なのか、冷えや巡りの悪さが関係しているのかなど、体全体から考えます。 特に、体力が低下している患者さんに、単純に強く便を出すことだけを考えるのではなく、その方の状態に合った方法を慎重に考えることが大切です。
「毎日出なければ便秘」とは限りません
患者さんから、
「毎日便が出ないといけないのでしょうか。」
と聞かれることがあります。
排便の回数には個人差があります。
大切なのは、回数だけではありません。
便を出すときに強い苦痛がないか。
便が硬すぎないか。
お腹の張りが続いていないか。
排便後に残便感が強くないか。
食欲や日常生活に影響していないか。
こうしたことを含めて考える必要があります。
治療前から2日に一度の排便で何の苦痛もなかった方が、必ずしも毎日排便する必要があるとは限りません。
反対に、毎日少量の便が出ていても、お腹の張りや残便感が強い場合には、相談が必要なことがあります。
「何日出ていないか」だけではなく、「どのように出ているか」を見ることが大切です。
食事、水分、活動量も大切ですが、すべての方に同じ方法が合うわけではありません
一般的な便秘対策として、水分摂取、食事内容の工夫、無理のない範囲で体を動かすことなどがあります。
しかし、がん治療中の患者さんでは、すべての方に同じ方法が適しているわけではありません。
例えば、食物繊維を増やすことが一般的な便秘対策として知られていますが、腸が狭くなっている方や、手術後の状態によっては注意が必要な場合があります。
また、心臓や腎臓の状態などによって、水分摂取量について医師から指示を受けている方もいます。
「便秘にはこれがよい」と聞いた方法を自己判断で続けるのではなく、現在の病状や治療内容に合った方法を確認することが大切です。
体調が許す範囲で少し体を動かすことが、排便を助ける場合もあります。
しかし、強い倦怠感やふらつきがあるときに無理をする必要はありません。 今の体に合った方法を見つけていくことが大切です。
下剤を飲んでいるのに出ないときはどうすればよいですか?
がん治療中には、便秘を予防したり改善したりするために、医療機関から下剤が処方されることがあります。
下剤にはさまざまな種類があり、便に水分を含ませるもの、腸の動きを促すものなど、働き方が異なります。
また、医療用麻薬による便秘に対して使用される薬もあります。
そのため、
「昨日出なかったから、今日は自分の判断で薬を倍にしよう。」
「効かないので、市販の下剤も追加しよう。」
といった自己判断はおすすめできません。
便秘の状態や使用している薬によって、適切な対応は異なります。
処方された下剤を使用しても便が出ない場合や、下剤を使うと下痢になり、やめると便秘になるといった場合には、主治医、薬剤師、看護師に相談してください。
薬の種類や量を調整できる場合があります。 漢方薬についても、現在使用している下剤やその他の薬を確認したうえで考えることが大切です。
便秘と食欲不振、吐き気は関係することがあります
便秘が続くと、お腹が張り、食欲が低下することがあります。
「お腹は空くはずなのに、食べ物を見ると入らない。」
「少し食べただけでお腹がいっぱいになる。」
「便秘がひどくなると、吐き気がする。」
このようなお話を伺うことがあります。
すると、
便秘になる。
お腹が張る。
食べられなくなる。
体力が落ちる。
活動量が減る。
さらに便秘が悪化する。
という悪循環につながることがあります。
漢方相談では、便秘だけではなく、食欲、吐き気、体重の変化、倦怠感、睡眠なども確認します。 症状を一つずつ切り離すのではなく、患者さんの体全体と生活を見ることが大切だと考えています。
このような便秘では、早めに医療機関へ相談してください
便秘の中には、早めの医学的な対応が必要な場合があります。
強い腹痛がある。
吐き気や嘔吐がある。
お腹がひどく張っている。
便だけでなく、おならも出ない。
こうした症状が重なる場合には、腸閉塞などの可能性もあるため、自己判断で下剤を追加せず、すぐに治療を受けている医療機関へ連絡してください。
また、排便が何日もなく、処方された薬を使用しても改善しない場合にも、主治医や医療スタッフへ相談することが大切です。
「いつもの便秘だから」と我慢しすぎないでください。
漢方相談は、必要な検査や治療に代わるものではありません。 病院での診察を大切にしながら、その方の日常の体調をどのように支えることができるのかを考えていきます。
抗がん剤治療中でも漢方薬は飲めますか?
抗がん剤治療中に漢方薬を併用できる場合はあります。
しかし、すべての患者さんに同じ漢方薬が適しているわけではありません。
使用している抗がん剤。
吐き気止めや痛み止めなどの薬。
現在使用している下剤。
肝臓や腎臓の状態。
食事量や水分摂取量。
便の状態。
腹部の手術歴。
体力や冷えの状態。
こうしたことを確認したうえで、その方に合った方法を慎重に考える必要があります。 大阪の当薬局では、お薬手帳や治療内容が分かる資料を確認しながら、安全性に配慮した漢方相談を行っています。
「すっきり出る」という当たり前を大切にします
便秘は、人に話しにくい悩みかもしれません。
「こんなことを相談してもよいのだろうか。」
そう思って、我慢している方もいらっしゃいます。
しかし、排便は毎日の生活に深く関わっています。
お腹が張らないこと。
食事をおいしく食べられること。
夜、苦しくなく眠れること。
外出先でもお腹のことばかり考えずに過ごせること。
そうした当たり前のことが、その人らしい生活を支えています。
「治療が始まってから、便秘がひどくなった。」
「下剤を使っているけれど、すっきりしない。」
「お腹が張って、食事が入らない。」
「便秘と下痢を繰り返して困っている。」
そのようなお悩みがありましたら、ご相談ください。
大阪の当薬局では、排便回数だけではなく、便の状態、腹部の張りや痛み、食欲、水分摂取量、吐き気、睡眠、冷え、倦怠感などを丁寧に伺います。
そして、病院での治療や処方薬を大切にしながら、漢方の視点から体全体を見つめ、その方にできることを一緒に考えていきます。
治療を受ける毎日の中で、お腹の苦しさが少しでも軽くなること。
食事を穏やかに楽しめること。
夜に安心して眠れること。
そして、排便の不安に一日を支配されず、その方らしい時間を過ごせること。
そのために漢方がお手伝いできることを、患者さんと一緒に考えてまいります。 抗がん剤治療中の便秘、お腹の張り、食欲不振、吐き気などでお困りの方は、どうぞご相談ください。
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