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漢方薬

コロナ後遺症(呼吸器と消化器)に効果的な漢方薬のご紹介

新型コロナウイルス後遺症には漢方薬が使われます。前回は全身症状と精神症状に使う漢方薬を紹介したので、ここでは呼吸器症状(咳・痰、息苦しさ、胸の痛み)と消化器症状(吐き気・嘔吐、下痢・腹痛、食欲不振、体重減少)に使う漢方薬を紹介します。

呼吸器症状(咳・痰、息苦しさ、胸の痛み)に使う漢方薬

呼吸器症状は多岐にわたるので、漢方薬を使い分けます。

息苦しさがある場合に効果がある漢方薬

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

鼻炎や喘息に使われる漢方薬です。熱っぽく頭痛があり、時に吐き気があり、けれど汗はかいていない場合に使います。食欲がない場合やみぞおち・下腹など体の中心が冷えている場合は向きません。

麻黄湯(まおうとう)

体に熱があるけれどその熱が体を十分巡らなくて不調がある時に使う漢方薬です。熱と頭痛があり、関節や下半身が痛い場合によく使います。ただし、体力を使う薬なので、体力がない人、食欲がない人、みぞおち・下腹など体の中心が冷えている人には向きません。

咳・たんがある場合に効果がある漢方薬

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

咳や喘息によく使われる漢方薬です。熱はないけれど咳がひどい場合に使います。気管支を広げる生薬、痰を切る生薬、肺の炎症を取って潤す生薬が入っています。食欲がない人、みぞおち・下腹など体の中心が冷えている人には向きません。

神秘湯(しんぴとう)

咳と喘息によく使われる漢方薬です。喘息に神秘的に効くことから神秘湯と呼ばれています。気の滞り・イライラ・胃の動きの悪さを取りつつ気管支を広げて咳を和らげます。食欲がない人、みぞおち・下腹など体の中心が冷えている人には向きません。

滋陰降火湯(じいんこうかとう)

気管支が乾いて咳が出る場合によく使われる漢方薬です。肺に潤いを与えつつ冷やすことで咳を鎮めます。体力があまりなくても使えますが、食欲がない人にはあまり向きません。

滋陰至宝湯(じいんしほうとう)

気管支が乾いて咳が出る場合によく使われる漢方薬ですが、滋陰降火湯より、イライラ・おちこみを取る作用に優れます。女性の咳によく使われます。食欲がない人や体の中心が冷えている人にはあまり向きません。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

空咳が出て、痰がからむ(気管支が乾いている)場合によく使われる漢方薬です。気管支を潤して咳を鎮め痰を出やすくします。体力がない人、食欲がない人、体の中心が冷えている人でも使えます。ただし、気管支が乾いての咳でない場合、あまり効果が出ない場合があります。

胸の痛みがある場合に効果がある漢方薬

小柴胡湯(しょうさいことう)

風邪が長引いて不調の時によく使われる漢方薬です。体の巡りをよくし、ストレス症状を取るので、吐き気・熱・便秘に使います。胸の脇に痛みがあったり胃が詰まって気分が悪かったりする人に向いています。下腹やみぞおちなど体の中心が冷えている人は、体を温め冷やさないようにして飲むのをおすすめします。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

気分が塞いだり、胃の動きが悪かったり、喉になにか詰まっているような感じがする時によく使う漢方薬です。ストレス症状を和らげて胃の詰まりを取り、喉のつまり感をなくします。普段食べ過ぎて胃に負担がかかっている人向けの薬なので、もとから食欲がない人には胃腸を元気にする六君子湯などが向いている場合があります。また、体の中心が冷えている人にはあまり向きません。

喉の痛みがある場合に効果がある漢方薬

桔梗石膏(ききょうせっこう)

激しい喉の痛み・炎症によく使われる漢方薬です。強く体を冷やすので、体の中心が冷えている人には向きません。

甘草湯(かんぞうとう)

喉の痛み・炎症に使います。これは体が冷えている人にも使えますが、炎症を取り冷やす作用は桔梗石膏のほうが強いです。

だるさをともなう不調

参蘇飲(じんそいん)

体力がない人に葛根湯のように使う漢方薬です。熱・頭痛・ボーッとするなどに使います。葛根湯は体力のある人にしか使えませんが、参蘇飲は体力がなく食欲がない人にも使えます。

消化器症状(吐き気・嘔吐、下痢・腹痛、食欲不振、体重減少)

胃腸に力をつけて消化吸収力を上げる漢方薬がよく使われます。胃腸の動きをよくしてつまりを取る漢方薬は吐き気によいです。

食欲不振・吐き気などに効果がある漢方薬

四君子湯(しくんしとう)

胃腸に力をつけ食欲不振を治す基本の漢方薬です。食欲不振によい漢方薬は数多くありますが、多くが四君子湯を基本骨格に持っています。比較的シンプルな漢方薬なので、胃腸が非常に弱くても使えます。

六君子湯(りっくんしとう)

四君子湯に胃を動かす生薬を足した漢方薬です。胃が弱いだけでなく胃もたれしやすい人に向いています。

柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)

六君子湯に、イライラやのぼせによい生薬とそれをサポートし筋肉を柔らかくする生薬を足したものです。胃腸が弱くて食欲がない上、みぞおちがつかえる、胸の脇が張って痛む、神経質、という人に向いています。

藿香正気散(かっこうしょうきさん)

腹部膨満感や悪心に使われる漢方薬です。胃の動きをよくして健全にし、胃に溜まった水をなくし、吐き気や胃の詰まりを取ります。夏の風邪や、飲み過ぎ・食べ過ぎで胃に不調がある人によく使います。

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

胃腸風邪で胃やみぞおちが張る、吐き気がする、下痢、などによく使われる漢方薬です。加えて神経質や情緒不安定がある場合に特に向いています。上半身の熱を取り胃の動きをよくする漢方薬なので、体の中心が冷えている人にはあまり向きません。

下痢に効果がある漢方薬

人参湯(にんじんとう)

お腹の冷えによる下痢によく使われる漢方薬です。お腹を温めつつ胃腸に働きかけるので消化器官を健やかに動かします。体の中心が冷えている人に向いています。

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)

お腹が張って痛むのによく使う漢方薬です。便秘にも使われます。桂枝加芍薬湯に水飴を足した漢方薬の小建中湯のほうが適する場合もあります。

新型コロナウイルス後遺症には体質と症状を見極めて漢方薬を使います

新型コロナウイルス後遺症はまだ研究中の病気です。

多くの漢方薬をご紹介しましたが、お一人お一人の体質、症状によってお合わせする漢方薬は違ってきます。体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。 何でもお気軽にご相談下さいませ。


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