加美漢方ブログ
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漢方薬

高血圧の方におすすめの漢方薬

高血圧の改善には運動・減塩が大事です。
けれどそれだけでは不十分だったり、加齢や体質によりどうしても高血圧になってしまったりします。ここでは、高血圧に良い漢方薬や高血圧の随伴症状にいい漢方薬を紹介します。

高血圧

高血圧」について症状などご紹介している記事は下記URLよりご覧いただけます。
https://www.kami-kanpou.com/cardiovascular_disease/高血圧/

血圧を直接下げる漢方薬

血行に働きかけ、血圧に働きかける漢方薬です。

七物降下湯(しちもつこうかとう)

下の血圧が高い人に向いている漢方薬です。高血圧の頭痛や緑内障によく使われます。昭和の漢方医が自分の高血圧と高血圧に伴う眼底出血を直すために考えだした薬です。胃にもたれる生薬や体を冷やす生薬が多いので、食欲がなかったり冷え性だったりする人には向きません。

釣藤散(ちょうとうさん)

高血圧でストレス過多な人の頭痛・めまいに使われます。目の周りがけいれんする人によく向きます。興奮を沈めつつ体の熱を取る漢方薬です。

血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)

高血圧由来の頭痛・肩こり・のぼせ・動悸に使う漢方薬です。血の巡りをよくして高血圧の随伴症状を改善します。胃にもたれる生薬が多いので、胃腸が弱い人には向きません。

通導散(つうどうさん)

消化器官の動きをよくして便秘を取りつつ、血の巡りをよくする漢方薬です。打ち身や交通事故の後によく使われますが、高血圧にも使われます。

余計なものを出して熱を取る漢方薬

高血圧の人は体に余計な熱が溜まっている場合が多く、体の余計なものを出して熱を取る漢方薬を使います。

大柴胡湯(だいさいことう)

消化器官を中心に気の巡りを良くして、便秘などをとり、体の巡りをよくする漢方薬です。みぞおちが張って苦しく体力充実している人向けなので、やせた人、食欲がない人、冷え性の人には向きません。

三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)

高血圧だけでなく、鼻血が出やすかったり、のぼせがひどかったりする場合にも使われます。便秘がちになっている人の便を出して体の熱をとる漢方薬なので、下痢していたり体の中心が冷えていたりする人には向きません。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

アトピーや蕁麻疹などで炎症を抑える薬ですが、体の熱を強力に取るので高血圧にも使われます。非常に苦い薬ですので、飲む際はオブラートなどで工夫してください。体が冷えている人には向きません。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

気血水の巡りをよくしつつ、体の余計なものを便や尿として外に出す薬です。体の熱を取る作用もあります。体力充実して血の巡りが悪い人向けなので、高血圧の人にもよく使われますが、体力がない人、下痢気味な人には向きません。

気持ちの高ぶりを沈める漢方薬

高血圧だと不眠や不安になる場合があります。それら向けの漢方薬もあります。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

気の巡りをよくしつつ心を鎮め、高血圧の人の不眠や不安を改善します。ストレス過多で不眠・不安になっている人にも使われる漢方薬です。

抑肝散(よくかんさん)

イライラして怒りっぽい人によく使われる漢方薬です。神経の高ぶりを抑え、気持ちを平和にします。抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)という、胃腸の動きを良くする生薬を追加した漢方薬もあり、こちらは胃腸が強くない人に向いています。長く飲み続ける場合も抑肝散加陳皮半夏がいいでしょう。

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

体の余計な熱や水分を出して、体の毒を取る漢方薬です。デリケートゾーンや泌尿器の炎症によく使われますが、上半身の熱を取り、利尿もするので高血圧にも使われます。

水分を抜いて血圧を下げる漢方薬

血圧が高いのは血の量が多いためです。尿として余計な水分を出し、血圧を下げる方法もあります。

真武湯(しんぶとう)

体の中心が冷えて体力がない人の風邪薬ですが、体の余計な水を抜く作用があるため高血圧にも使われます。体の中心を温め尿を作りやすくするので、みぞおちや下腹を触ってみて冷えている人に向いています。

五苓散(ごれいさん)

体を少し温め巡りをよくしつつ、体全体の余計な水分を抜く漢方薬です。むくみや二日酔い、低気圧頭痛にもよく使われます。

加齢による高血圧

加齢による高血圧は、体の潤いが失われるせいと漢方では考えています。老化に対抗しつつ体の潤いを補う漢方薬で対処します。

六味丸(ろくみがん)

老化を予防し、体の潤いを補う基本の漢方薬です。胃にもたれる生薬を多く含むため、胃が弱い人や食欲のない人には向きません。

杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)

六味丸に、体の潤いを補う生薬と、目の炎症を取る生薬を足したものです。眼精疲労にもよく使われます。

知柏地黄丸(ちばくじおうがん)

六味丸に、体の潤いを補う生薬と、体の熱を取る生薬を足したものです。更年期ののぼせにもよく使われます。

高血圧を改善するために

高血圧を改善するためには、日々の食事の塩分量を減らし、運動し、アルコールを控えるのが大事です。漢方薬は、高血圧そのものだけでなく、頭痛、肩こり、動悸、のぼせなど高血圧の随伴症状を和らげるのに役立ちます。

多くの漢方薬をご紹介しましたが、お一人お一人の体質、症状によってお合わせする漢方薬は違ってきます。体質、症状を詳しくお聞きし、一番適した漢方薬をお合わせ致します。何でもお気軽にご相談下さいませ。


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