加美漢方ブログ
  1. HOME
  2. ブログ一覧
  3. 痛風・高尿酸血症
記
漢方

ブログ

代謝・内分泌疾患

痛風・高尿酸血症

痛風発作とは

痛風発症のイメージイラスト

痛風発作は血中尿酸値の高い状態(高尿酸血症)が続くことで、尿酸が足の親指の付け根の関節などに結晶化し、激しい痛みが起こる病気です。痛みの発作は1~2週間で治まりますが、治療せずに放っていると再発を繰り返します。痛風は男性に多い病気で、女性では女性ホルモンであるエストロゲンが尿酸の排泄を促すため、なりにくいといわれています。
また、高尿酸血症が続くと痛風発作を起こしたことがなくても、腎障害や尿路結石、更には糖尿病や高脂血症、高血圧といった生活習慣病の合併も多く見られます。

尿酸とプリン体

尿酸はプリン体という成分が肝臓で分解されてできる老廃物です。 では、プリン体は?というと、プリン体は細胞核にある核酸を構成する重要な物質です。体内のプリン体のうち2~3割は食品からの摂取で、7~8割は体内でつくられています。プリン体が体内でつくられるしくみは下記の通りです。

  1. 細胞が新しいものに変わるときに分解されてプリン体ができる。
  2. 私たちの体が動くのは、体のエネルギー源であるATPが分解されてできたADPという物質が筋肉を収縮させ、体を動かすからです。そして分解されてできたADPは、安静時にもとのATPに合成されます。しかし、激しい運動などで急激に大量のATPが使われると、増えすぎたADPはATPに戻れず、分解されてプリン体になります。

このように、私たちの体内では常にプリン体がつくられ、使われなかったプリン体は肝臓で分解され尿酸となり、血液に溶けて循環し、尿として排泄されます。

尿酸の産生と排泄のバランス

健康な人は尿酸の産生と排泄のバランスが正常に機能していますが、高尿酸血症の人ではこのバランスが崩れ、血液に溶けきれなかった尿酸が結晶化し、関節などにたまっていきます。そして、関節内にたまった状態が続くと、結晶化した尿酸が剥がれて関節液に流れ出ます。これを白血球が異物とみなして攻撃することで炎症が起き、痛風発作を発症します。

日本人に多いタイプ

血液検査で尿酸値が7.0mg/dlを超えた状態を高尿酸血症といい、日本では痛風の人は100万人以上いるといわれています。日本人に多いのが尿酸産生量は正常でも排泄される尿酸量が少なすぎるタイプで、腎機能が低下している人が多いです。

尿酸値を上げないために

食べ過ぎに注意する

プリン体はほとんどの食品に含まれているので、食べ過ぎによりプリン体の摂取量が増え、尿酸値も高くなります。実際、痛風の原因の多くが食べ過ぎによるものです。肉食、魚介類は尿酸をつくる物質を多く含むので控えるようにして下さい。

アルコールに注意する

ビールに限らず、お酒に含まれるアルコールは肝臓で分解されるときにATPが使われます。ATPの分解がどんどん進むことでプリン体が増え、その結果、プリン体の老廃物である尿酸も増えてしまいます。アルコールの摂取を控えるようにして下さい。

激しい運動に注意する

短距離走やウエイトトレーニング等の短時間に激しい運動を行う無酸素運動は、エネルギーを過剰につかいます。エネルギー源であるATPがどんどん分解されるとプリン体が増え、その結果、尿酸も増えてしまいます。軽いジョギングや水泳のような有酸素運動は尿酸値を下げるのでお勧めです。

肥満に注意する

肥満で皮下脂肪がたまると尿酸の排泄が妨げられ、内臓脂肪がたまると体内でつくられる尿酸が増えます。食事に気を付け、適度な運動をして肥満にならないようにして下さい。

体の冷えに注意する

体が冷えていると腎臓の働きが悪くなり、尿酸の排泄が悪くなります。また、冷えることで血中温度が下がり、尿酸が血液に溶けずに結晶化しやすくなります。特に手足を温め、血流を良くすることが大切です。

水分を多く摂る

尿酸は尿と一緒に排泄されるので、水分を多めに摂って下さい。

尿をアルカリ化する

尿をアルカリ化することで尿酸が尿に溶けやすくなり、尿路結石ができにくくなります。野菜、海藻類、きのこ類には尿をアルカリ化する働きがあるので積極的に摂るようにして下さい。

痛風発作が起こった時の応急処置

炎症部位を心臓より高くして、冷やし、安静にします。発作時は温めると炎症が悪化するので冷やして下さい。

痛風、高尿酸血症に実績のある漢方薬

漢方薬で冷えや瘀血(血流障害)を改善することで、尿酸が結晶化す

るのを防ぎ、関節炎、疼痛を取り除きます。

同時に腎臓の機能も高めていきます。 最後に痛風、高尿酸血症に実績のある漢方薬をご紹介します。

  • 大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
  • 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
  • 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
  • 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
  • 五苓散(ごれいさん)
  • 猪苓湯(ちょれいとう)
  • 通導散(つうどうさん)
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
  • 芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)

加美漢方薬局
味好俊治


全国の皆様よりお電話でご相談承ります。お気軽にご相談ください。

加美漢方薬局

Address. 大阪府大阪市平野区加美東3-17-16
Phone. 06-6793-0609
Open. 10:00-18:00
Holiday. 木曜・日曜・祝日